カフェ「Passeretti(パセレッティ)」(浜松市中区連尺町、TEL 053-452-0899)が5月1日、オープン16周年を迎えた。(浜松経済新聞)

 16周年を祝うパセレッティのスタッフ

 同店は2008(平成20)年、オーナーの大原理さんが東京から浜松へ帰郷した当時、深夜まで営業する魅力的なカフェが周囲になかったため、自身の好みの店を作ろうとオープンした。「みんなのリビング」をコンセプトに、全席ソファ席のリラックスした空間でイタリアンや和食メニューなどを提供する。

 開店当初は、飲食店の運営経験のないスタッフばかりでのスタートだったため、試行錯誤の繰り返しだったという。来店客のニーズに対応すると共に、オリジナルメニューの考案など、「パセレッティらしい」新しいものを発信し続け現在のスタイルにたどり着いたという。

 大きな打撃を受けたコロナ禍で、新たにケータリングやテイクアウト事業を始めた。同店の魅力をより知ってもらうために、新メニューを提案しながら取り組んできたという。「コロナ禍を乗り越えるための挑戦が、今は店の強みにもなっている」と店長の土屋美帆さん。同グループのアップルパイ専門ブランド「APPLECHAN(アップルチャン)」では、地元銘菓を目指して開発した、三ヶ日町産のミカンピールを使う紅茶風味のチーズタルト「ベリーボタン」を展開した。

 郊外にも同店の味を届けたいと昨年5月には、2店舗目となる「パセレッティ ハナイチ」(中央区湖東町)をオープン。イタリアンや和食などのジャンルに縛られることなく、メニューを考案しているという。のりを使った「ジャポネーゼ」、桜エビとイワシを合わせたソースの「スルガーナ」など、和の食材を使ったオリジナルパスタは今後本店での提供も予定する。

 5月12日にはコロナ禍の影響で中止していた周年パーティーを開催した。食べ放題プランを用意し、100人ほどの来客でにぎわったという。土屋さんは「5年ぶりのパーティーだったので心配もあったが、久しぶりに来店してくれた方など、今までの積み重ねを感じられる良い時間になった」と振り返る。

 今後は、コロナ禍以前は定期的に行っていたイベント開催を計画する。要望が多いためハラルメニューも試作しているという。土屋さんは「お客さまの声がきっかけになり、新しい発見や出合いがある。16年も続けられてこられたのは、新しいことを取り入れながら、自分たちも楽しめるように心がけてきたから。これからもこの楽しみをお客さまと共有できる場所にしていきたい」とも。

 営業時間は11時〜翌2時。