「丘の上の小さなパン教室 5つのぱん」(飯田市宮の前)が1年ぶりに再開した。(飯田経済新聞)

 「米粉湯種と和三盆の食パン」

 5年ほど前から月2〜3回ずつ自宅でパン教室を開いていた同教室は、コロナ禍と自宅リノベーションに合わせ、教室を改修するためにしばらく休校していた。約1年ぶりの再開となった5月16日は初参加の生徒4人を迎え、「米粉湯種と和三盆の食パン」を課題にレッスンを行った。

 この日は13時30分に教室が始まり、米粉や強力粉などの材料を合わせ、こねる作業でスタートした。粉量が300グラム以上で、一般的なパン生地より多くの水分を使う「高加水生地」のレシピに取り組んだ。

 講師の源田緑さんが、生地をパンこね台へ打ち付け「水分を飛ばす」、スケッパーを使って「生地をまとめる」など、実演を交えながら生地をこねる時のポイントを紹介。生地を両側から引っ張り、光にかざし「グルテンが張っているか」など、生地の状態を確かめながら作業を進めた。

 「ABC Cooking Studio」で製パンとスイーツのマスターを修了した源田さん。「見極めが大事」とパン作りの重点を紹介し、「こね上がりを体験することで生地の状態が分かり、自宅でパン作りを再現してもらえるように」と、参加生徒の感覚を大切にしながらレッスンを進める。

 生地の一次発酵中には、源田さんが布巾をパン生地に見立てパンの成形ポイントなど、パン作りの流れを説明。「自宅でのパン作りは焼きが難しい」と、メーカーによってのオーブンの違いや、同メーカーでも個体差があること、電気とガスオーブンの特徴を紹介し、「温度が一番大切」と温度設定での注意点を伝えた。

 一次発酵後に1.5倍に膨らんだ生地の柔らかさを確かめた参加生徒たちから「柔らかい」と歓声が上がった。同市内から参加した女性は「インスタグラムで知って参加した。生地を楽しくこねた。力の入れ具合や、こね方の種類も教えてもらい、本格的なパン作りができ勉強になった」、インスタグラムの写真に引かれ、同市内から参加した女性は「自宅には器具がそろっていないので、パン教室を探していた。丁寧に教えてもらって楽しい。部屋がおしゃれで、参加するだけでテンションが上がる」と、それぞれ話していた。

 パンを焼き上げている時間はティータイムとし、コーヒーや紅茶を飲みながら皆でおしゃべりを楽しんだ。源田さんは「1年間休み不安だったが、『再開を待っていた』と参加してもらい、待っていてくれてうれしかった」と久しぶりのレッスンを振り返る。

 同教室では2カ月に1つのレシピを紹介する。6月からは、豆乳を加えたソイラテ風味の生地にアーモンドとキャラメルナッツを混ぜ合わせる「ソイラテ&キャラメルナッツ」で、自身で作ったパンは持ち帰る。

 今後は、親子で参加できるイベントも考えたいという源田さんは「パン作りを習いに来るだけでなく、おしゃべりや空間を楽しむ様子が伝わってくる。友達の家に立ち寄る気持ちで、皆さんがくつろげる空間になるよう、これからも工夫していきたい」と話す。

 次回レッスンは6月6日13時30分〜。参加費は4,000円