箕輪町の中国茶教室「好茶(ハオチャ)工房」代表の宮坂郁子さんが5月18日、「第1回お気軽お茶会」を夢まちLabo(箕輪町南小河内)で開催した。(伊那経済新聞)

 湯の中で花びらが開く様子を楽しめる「手工芸茶」の点前を披露する大槻さん

 箕輪教室が2周年を迎えたことを記念し、より多くの人に中国茶の魅力を伝えたいと初めて企画した同イベント。10時に開場し、15時開始の最終回まで7回に分けてお茶会を開催。各回満席の盛況となった。

 参加者に楽しんでもらおうと、箕輪教室の生徒に加え伊那教室の生徒も会場運営サポートに駆け付け、色彩豊かで光沢のある中華風衣装で来場者をもてなした。

 イベントは茶葉の種類ごとに3つのテーブルに分かれ、生徒が披露する手前を参加者が鑑賞。茶葉の効果効能や歴史、いれ方などを学ぶと同時に、茶葉から立ち上がる香りや茶葉が広がり変化する様子を見ながら、じっくりお茶を味わった。

 お湯の中で徐々に花びらが開く様子が楽しめる「手工芸茶」のテーブルを担当した大槻恵子さんは、箕輪教室開設以前から諏訪教室などで、一般社団法人日本茶縁協会理事長でもある林圭子さんから中国茶を習ってきたという。豊富な中国茶の話に多くの来場者がテーブルを囲んだ。

 箕輪教室に通う伊藤奏さんはこの日のために練習を積んできた生徒の一人で、烏龍茶の一種「武夷奇蘭(ぶいきらん)」の点前を披露した。「中国茶は香りや味だけでなく視覚などあらゆる感性が刺激される。いれ手として、来場していただいた方の感性が開ける瞬間に立ち会えてうれしい」と振り返る。

 イベントを企画した宮坂さんや大槻さんに中国茶の魅力を伝えてきた林圭子さんは中国政府認定茶芸師として日本で中国茶を広めてきた一人。「夫の海外転勤に伴い、まだ小さい双子の赤ちゃんを連れて1998(平成10)年から上海に滞在した。育児が大変なうえに慣れない環境下で心身ともに疲れ、不調だった時に出合ったのが中国茶。修行の意味合いが強い日本の茶道とは違い、私たちが広めているのは『茶芸』。お茶を芸として楽しもうという意図がある。そこに魅力を感じて継続してくれる人が多いのでは」

 宮坂さんは「今後も教室やイベントで中国茶の歴史や種類など魅力を伝えていきたい。体験教室や入門講座も積極的に開いていきたい」と話す。