能登半島地震で全壊した珠洲のビジネス交流拠点が5月19日、避難先の金沢で作った新拠点でトークイベントを行った。(金沢経済新聞)

 トークイベントに参加した俳優の柴俊夫さん

 全壊したのは珠洲市にあるコワーキングスペース兼ビジネス交流拠点「OKNO to Bridge(奥能登ブリッジ)」。運営会社「CとH」社長の伊藤紗恵さんは避難先の金沢で、能登から避難している人たちのコミュニティー拠点が必要だと考え、中村陽一さんが社長を務める「ブルーブラックカンパニー」(東京都豊島区)と共同で新拠点「金沢BASE」(金沢市弥生2)を立ち上げて活動を始めた。

 「金沢BASE」の場所は長く空き家になっていた中村さんの実家で元写真店。立教大学名誉教授でソーシャルビジネスの専門家でもある中村さんは「復興に関わる活動はもちろん、伝統工芸などのアート領域や、次世代を担う子どもたちのサポートなども含めたソーシャルハブにしていきたい」と話す。

 トークイベントには、大学教授やまちづくりの専門家、地方創生や子どもの居場所づくりなどの支援をする活動家などが集まり、それぞれの活動や体験などの情報交換を行った。

 イベントに参加した俳優の柴俊夫さんは、東日本震災で活動した経験から「復興は人的なネットワークづくりが重要。そこから生まれる新しい活動が地域や人をつくっていく」と話した。

 伊藤さんは「面白い場を作れば、面白い人が集まり、新しい変化が起きるはず。珠洲と金沢の両拠点でのコミュニティーづくりから、自らテーマにしてきた『女性のキャリア』『地域発のビジネスづくり』につなげていきたい」と話す。