盛岡市中央公園の複合施設「BeBA TERRACE(ビバテラス)」(盛岡市本宮)で6月2日、羊毛関連イベント「WOOL PICNIC(ウールピクニック)」が開催される。(盛岡経済新聞)

 同イベントの事務局を務める「手紡ぎ手織りの学校 Looms(ルームス)」は、羊毛を使った伝統工芸「ホームスパン」に関連する講座や体験会、商品の販売を行っている。同教室を運営する「クラシカウンシル」の水野ひろ子さんは「外で作業をしていると、ホームスパンは何でできているのかと聞かれることもある。公園を訪れた人や地域の皆さんに羊毛やヒツジについて知ってもらう機会があればと考える中、イベントを企画した」と話す。

 メインコンテンツとして「東北フリースdayいわて」を初開催する。「フリース」は一枚につながった状態で刈られた羊毛のことで、東北各地のヒツジ飼いがフリースや羊毛加工品、羊革などを展示販売するプロ向けの内容となっている。実行委員会の山本実紀さんは花巻市でヒツジを飼いながら、その羊毛を使ったウール作品を作っている。

 「ウール製品を使う人はもちろん、羊毛を使って物作りを行う人もフリース状態の羊毛を目にする機会は少ない」と山本さん。作り手側からも、羊毛の生産者であるヒツジ飼いと対面し、たくさんの羊毛に触れながら自分の希望を伝えて素材を選ぶスタイルを望む声があるといい、ヒツジ飼いと作り手が集まり、交流しながら直販できる機会として企画した。

 山本さん自身がウールの魅力を知ったのも、フリースに触れたことだったという。製品になる前の素材の魅力を知ってもらうとともに、地域の人々がウールに触れ、その可能性を感じてもらう機会にもしようと、今回はオープンな場で開催することを決めた。

 「東北フリースdayいわて」ではプロ向けの展示販売に加え、ヒツジ飼いが自慢のフリースを出展するフリース人気投票や、電動バリカンとハサミによるヒツジの毛刈りの実演を行うほか、「ウールピクニック」として「Looms」によるミニのみの市、糸紡ぎの実演、南インド料理店「スパイスキッチンじょし家」による羊肉を使ったオリジナルカレー「県産ホゲットカレー」の限定販売など公園を訪れた人がヒツジや羊毛に親しめる内容も盛り込んだ。

  山本さんは「ヒツジ自体の魅力を作り手が知ることで、もっと良い作品を生み出すことにつながると思う。素材としてのウールの向こうに、生き物のヒツジがいるというつながりも知ってもらいたい。毛刈りしたばかりフリースを見ることはなかなかないと思うので、触れたり匂いを嗅いだりしてみてほしい」と話す。

 開催時間は10時〜15時。入場無料。