JR青梅線の沿線全体を宿泊施設に見立てた観光ビジネス「沿線まるごとホテル」の一部が5月16日、開業した。(西多摩経済新聞)

 開業したのは「Satologue Ome(さとろーぐ おうめ)」(奥多摩町棚沢、TEL 0428-85-9310)。レストラン棟とサウナ棟で構成。古い木造家屋を改築したもので、里山のような屋外空間を備えている。 

 レストラン「時帰路(ときろ)」は、シェフの駒ヶ嶺侑太さんと高波和基さんが、青梅、奥多摩ゆかりの食材を使って腕を振るい、フレンチベースの料理を提供する。

 開業を前に5月13日に行われた内覧会には、師岡公伸奥多摩町長、大勢待利明青梅市長、JR東日本執行役員の内田英志八王子支社長、青梅市観光協会の小澤徳郎会長らが駆け付け、開業に期待を寄せた。

 嶋田俊平社長は「私たちの施設やサービスがきっかけとなって、青梅線沿線がお客さまにとってのふるさとになることを願っている。この新しいふるさとづくりのムーブメントが全国に広がるモデルになれるよう、事業に向き合っていきたい」と意気込みを見せた。

 今後はツインルーム4室から成る客室棟を設け、本年度内にサービスを開始する。

 「沿線まるごとホテル」を運営するのは、さとゆめとJR東日本の2社が出資した「沿線まるごと」。無人駅舎などをホテルのフロントとして活用し、沿線の集落にある古民家をホテルの客室などに改修。地域住民がホテルのキャストとして接客や案内をすることで、沿線地域全体を楽しむ世界観を構築するプロジェクト。同プロジェクトは昨年の「第7回ジャパン・ツーリズム・アワード」の最高賞である国土交通大臣賞に選ばれている。