初等学校から高校まで運営する菅生学園(あきる野市菅生)を6月10日、中央アジアのキルギス共和国の教育関係者が視察し、同学園の教育活動を学んだ。(西多摩経済新聞)

 訪れたのは大統領府付属中学高校のリスクロフ・ミエル校長をはじめ小中高一貫校校長、幼稚園園長ら17人。同学園で行う先進的な教育、日本の学校で行われている特別活動の在り方などを学ぶのが目的。

 初等学校と中等部がある校舎「学びの城」で、6年生によるキルギス国歌の斉唱などで歓迎を受けた一行は早速、初等学校児童の給食や学校施設を見学した。

 この後、初等学校の異学年交流による特別活動を参観。異年齢の子どもたちが一緒に活動する、縦割り班活動により上級生に責任感やリーダーシップが育ち、低学年の子を納得させるための論理的な思考を深めることで学力向上の成果が出ていることなどの報告を受けた。

 中等部では科学、技術、工学、芸術・リベラルアーツ、数学の5つの分野を統合的に学ぶ教育「STEAM教育」を参観。中等部、高校の6年間で医学難関大を目指す授業に触れた。

 高校では吹奏楽部を中心にクラブ活動を見学。全日本吹奏楽コンクールで5年連続金賞に輝いた吹奏楽部の演奏には盛大な拍手が贈られ、涙を流す姿もあった。一行からは「吹奏楽部をキルギスに招きたい」との声も出た。

 同学園の島田幸成理事長は歓迎の意を示し、「高校は東海大学の付属となっているが、大学の創設者の松前重義先生は世界に友達をつくろうという考え方の人だった。東欧諸国にも関係の学校があり、40年前にはモスクワ大学に野球場を寄付し、日、ロ、米の友好を願った。当園は今後も、世界との友好を育んでいきたい」と呼びかける。