南足柄市千津島の長井清高さん宅の庭に咲く7種類40本の藤(ふじ)が、今年も咲き誇り訪れた人々を喜ばせた。(小田原箱根経済新聞)

 「藤棚」ではなく自然に近い「立ち木造り」で7種類40本の藤が咲き誇る

 今から50年ほど前に故・長井高平さんが山から移植した藤。藤棚を作らず「立ち木造り」で自然のまま植栽したため「本来の藤の姿を見られる」と訪れる人も多い。藤の手入れは、長井高平さんの意志を継いで妻・光枝さんや長男の清高さんが受け継ぎ、現在に至っている。花が咲いたあとにできる豆鞘(まめさや)や枯れた花房取りなどの作業を家族で手分けして行っているという。

 今年も開花期間(〜5月上旬)に「金太郎ふじ祭り」を開催。藤の観賞と地場産品・農産物などの販売を行った。来場者からは「自然に咲く藤の花を見て感動した。藤の香りが楽しめた」「個人のお宅でここまで手入れしていることにも驚きを感じる。良いものを見せていただき感謝」などの声が聞こえた。

 「長井さんちの藤」として多くの市民に知られ、最近では県内外から観賞のために訪れる人も増えた。小田原近郊の景色や植物にレンズを向け続けている小澤宏さんは「ここの藤は力強く咲きフレームの中でも存在感を感じる」と話す。

 大雄山線大雄山駅から箱根登山バス新松田行「まました」下車徒歩約20分。または小田急新松田駅・JR御殿場線松田駅から箱根登山バス関本行「東まました」下車徒歩約20分。車の場合には、東名大井松田ICから県道78号線経由竹松交差点右折約15分。