岡山市出身の映画監督・大森青児さんの映画「晴れの国」の上映が6月1日、岡山メルパ(岡山市北区中山下1)で始まる。(岡山経済新聞)

 映画「晴れの国」に登場する備中松山城・犬城主の三四郎

 大森さんは大学卒業後、NHKに入局。大河ドラマ「武田信玄」の演出を手がけるなど、300本以上のドラマに関わってきた。退局後、2016(平成28)年に初の監督映画「家族の日」を製作した。

 同作品のロケ地は全て高梁市内で、備中松山城も撮影地の一つ。劇中には、備中松山城の猫城主「さんじゅーろー」をモデルにしたマスコット犬「三四郎」が登場する。2022年5月に撮影を始めたが、出演者が新型コロナウイルスに感染し、撮影一日にして中断となった。翌年5月に再開し、10日間で撮影を終えた。

 キャッチコピーは「取り戻したい愛がある」。家族の再生を描いた物語。キャストには、大森監督と40年上の付き合いがある三田村邦彦さん、倉敷市出身で「おかやま晴れの国大使」の前野朋哉さん、今作が女優デビューとなる元アイドルで演歌歌手の丘みどりさん、初映画となる元NHKアナウンサーの石澤典夫さん。エンディングテーマに、高梁市出身の葛城ユキさんが歌う「今、HEART BREAK」を使う。

 大森さんは「NHK時代に岡山では一本も映像を撮らなかった。フリーになり、地元に貢献したい思いが湧き、前作から高梁を舞台に撮影した。世界の平和が危ぶまれる現代において、映画ができるのは、すぐ近くにいる人、家族との愛情や絆を描くこと。家族を元にして、人間がどう生きるべきかを私なりに考えた。年を重ねるにつれ、他人が幸せでなければ自分も幸せになれないようになった。家族や近くにいる人だけでなく、他人とも心通い合うやさしい社会になることを願っている」と話す。

 6月1日の上映時間は11時20分〜と13時35分〜の2回。各上映回終了後、大森監督と三田村邦彦さん、前野朋哉さんが登壇し舞台あいさつを行う。