Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が5月15日、チャンピオンシップ(CS)準々決勝第2戦目を宇都宮ブレックス(同、宇都宮)と戦った。(シブヤ経済新聞)

 2戦先勝で次の戦いに進出が決まるCS。SR渋谷は前日の試合に敗れていたことから後が無い状況となっていたが、ベンドラメ礼生選手は「1戦目を負けてもチャンスがあるということで、負けた後も切り替えられた」と言う。

 試合の立ち上がりはベンドラメ選手が得点やアシストでチームを引っ張ったほか、前日12得点に抑えられたライアン・ケリー選手も3ポイント(P)シュートなどを積極的に放ち得点を重ね、一時5点のリードを奪う。第2Q中盤までは互角の戦いを見せるが、「ちょっとしたミスやエラー」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))から立て続けに得点を許し38-48で前半を折り返す。

 後半立ち上がりにはディフェンスでトラップを仕掛けミスを誘いかけるもボールをつながれ3Pを許し、「ゾーン(ディフェンス)でしのごうと思ったが」(伊佐HC)宇都宮が高確率で3Pを沈めリードを広げられた。それでも、途中出場した田渡修人選手が、リバウンドを取られた後のボールを奪い得点につなげたりオフェンスリバウンドから得点を挙げたりアグレッシブにプレー。石井講祐選手もボールを奪うプレーから得意の3Pを決めるなど第3Qだけで6点を挙げた。

 大差を付けられた最終Q後半は、「アグレッシブにスチール(=ボールを奪うプレー)を狙い、簡単に点を取られてもテンポを上げて、最後は自分たちのバスケットをやろう」(伊佐HC)と、こまめに選手を入れ替えながらフルコートでプレッシャーを掛け、ボールマンにWチームを仕掛け試合終了のブザーが鳴るまで戦い抜いた。試合結果は74-111。伊佐HCは「この点差でライアンやマック(=ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手)を(終盤も)出すべきではないとは思うが、負傷して後半出られなかったCJ(=チャールズ・ジャクソン選手)も含め、点数関係なくチームでやるべき事を最後までやってくれた」と感謝の言葉を口にした。

 連敗を喫し準々決勝敗退となったSR渋谷。伊佐HCは「最低ラインであるCSには出場できた」と今季を振り返りつつ、「積み上げてきたものに加え戦術やディフェンスのバリエーションなどを工夫しながらやればもっと上に行ける感触はある。次のレベルにいくところまで来ているので、来シーズンは突き詰めていきたい」とさらなる高みを見据える。

 試合後選手たちには「CSで勝ちきるためには細かいところを突き詰めないといけない。CSで得た経験をそれぞれ来シーズンに生かしていこう」と話したほか、コロナ禍でのシーズンは「コーチ歴の中で特別なシーズンだった」と言い、「その中でハードワークしてくれたこと」や、選手・スタッフ・フロントスタッフ含めクラブから陽性者が出なかったことなどに対する感謝を伝えたという。

 ベンドラメ選手は「勝てる自信もあったけれど上手くいかなかった。正直悔しい。結果が出なかったことには満足していない」と心境を吐露しつつ、「最後までプライドを持って戦えた」と力を込め、「シーズンを通して、どこのチームよりも激しく、チームで全力で戦えたシーズンだった。どんな状況、どれだけ点差が離れていても試合時間がゼロになるまで、見ている人の心に刺さるようなバスケットをコートで表現できたと言い切れる」と続けた。

 さらに、「毎試合こんなに出し切って戦えたのは今のチームじゃないとできなかったと思う。チームメートも最後まで諦めず強い気持ちでチームを引っ張ろうとしてくれたし、チームメートに恵まれた」と言い、試合後のロッカールでは、広瀬健太選手が「プライドを持って最後まで自分たちのバスケットを表現できたんだから、ここで下を向いていたらもったいない。自分たちがやってきたことは正しかったということを表現できたから、胸を張って帰ろう」と話したことも明かした。

 アウェーのなか連日会場にはSR渋谷のファンの姿も見られ、その応援は「もちろんしっかり届いた」と話したベンドラメ選手。「会場に足を運んで試合を見ることすら不安なシーズンだったと思うが、観客がいるのといないのではやっている選手も実感が違う。全員が感染対策をして、声を出せないなか拍手やいろいろなところでチームを鼓舞してくれてすごく感謝している。皆さんのそういった心がけがあったから戦い抜けた。ありがとうございました」とファンにメッセージを送った。