慶応義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCO:ケムコ)(港区三田2、TEL 03-5427-2021)が4月19日、桜田通り沿いの慶応義塾大学三田キャンパス東別館にオープンした。(品川経済新聞)

 【写真】慶応義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCO:ケムコ)外観

 2020年9月に完工した地上11階建ての同施設。設計監理は三菱地所設計(千代田区)。施設面積は約2406平方メートル。

 1階=エントランスホール、2階=文化財の調査や保存の様子が見学できるオープン・デポと収蔵庫、3階=展示フロア、5階=実習室、8階=文化財の撮影や美術作品の制作ができる「KeMCO StudI/O(ケムコ・スタジオ)」、9階=カンファレンスルームを設ける。ガラスとパネルを組み合わせたモザイク状の外壁は、「型にとらわれない多様な活動や交流」を表現しているという。

 開館の経緯について、機構長の松田隆美(たかみ)さんは「2018年に一般財団法人センチュリー文化財団から資料寄贈と30億円の寄付金を受けたのがきっかけ。センチュリー赤尾コレクションと本学所蔵の文化財を収蔵、管理、展示する。歴史的な収蔵品と本学が得意とするIT技術を融合させ、ミュージアムの新たな活動モデルを提案する」と話す。

 同施設について、副機構長の渡部葉子さんは「コンセプトは『創造的な空き地』。学内外のさまざまな人々が集まり、自由な発想で交流できるオープンな場所を目指す。この理念は、閉じられていない線で構成された当施設オリジナルフォント『KeMCOフォント』にも表れている。文化財を核に、教育・研究・コミュニティー活動を通じて、福沢諭吉の表現した『人間交際』を実現したい」とアピールする。ロゴや施設サインの「KeMCOフォント」のデザインは、ten piecesの川村格夫さん。

 グランドオープンを記念する企画「交景:クロス・スケープ」を開催。6月18日まで。3階の展示室では「文字景――センチュリー赤尾コレクションの名品にみる文(ふみ)と象(かたち)」、9階のカンファレンスルームではコレクションブック『慶應(けいおう)義塾名品撰(せん)』に掲載された文化財を中心にした「集景――集う景色:慶應義塾所蔵文化財より」の2つの展示会を開く。1階のエントランスホール、8階のケムコ・スタジオでは学生スタッフチーム「KeMCoM(ケムコム)」が企画・制作した展示を行う。5月29日には、シンポジウム「本景――書物文化がつくりだす連想の風景」を予定する。

 ミュージアム・コモンズ専任講師の本間友さんは「見どころの一つは、AIを活用したツール『KuroNet(クロネット)』で「くずし字」を翻訳する展示。デジタルとアナログの融合を楽しんでほしい」と話す。今後の展望について、専任講師の松谷芙美(まつやふみ)さんは「年に3〜4の企画展を考えている。現在は新型コロナウイルス感染症対策のため交流イベントは実施しないが、今後はそういったことも積極的に企画したい」と意気込む。

 開館時間は10時〜18時。土曜・日曜・祝日休館。入場無料。新型コロナウイルス感染症対策として、入館者にアルコール消毒や検温を実施するほか、ホームページで事前予約を受け付ける。