「第18回いすみ市消防操法大会」が5月19日、いすみ市文化とスポーツの森・スポーツ広場(いすみ市苅谷)で開催された。主催はいすみ市消防団。(外房経済新聞)

 「小型ポンプ操法部門」は、1チーム4人で競技を行った

 同大会は、市内の消防団員を対象に、複雑で多様化する災害に対処するために、災害現場での組織的規律と基本的な消防技術の向上、士気高揚を図ることを目的に定期的に開催している。

 消防団員は会社員や自営業など普段仕事をしながらも、「自らの地域は自らが守る」という精神に基づき、災害発生時に自宅や職場から出勤して活動。同市内には、第1から12分団まであり、日頃から訓練を通し地域の安全を支えている。

 競技は「千葉県消防操法実施要項」に準じて「ポンプ車操法部門」と「小型ポンプ操法部門」の2部門で行われた。

 ポンプ車操法部門では、指揮者と1〜4番員の計5人で、消防ポンプ車を用いて水利の調達から放水までの一連の動作の正確さと早さを競う。小型ポンプ操法部門は、消防ポンプ車の代わりに持ち運び可能な小型動力ポンプを用いて指揮者と1〜3番員の計4人で行った。今年はポンプ車操法部門に奇数分団、小型ポンプ操法部門は偶数分団が出場した。

 会場には、多くの団員が仲間たちの応援に駆けつけた。普段とは違う父親の姿を見ようと訪れる家族の姿も見られた。競技が始まると会場は緊張感に包まれた。

 競技では、実際に放水は行われなかったが、的に向かって走りホースをセットし、順番に掛け声をかけ手順を確認する様子が見られた。多くの声援が飛び交い「パパ、頑張って」と声をかける子どももいた。

 初めて観覧に訪れた人からは「迫力があり驚いた。普段なかなか見ることができないことばかり。災害が発生した際、ここにいる団員の皆さんが地域を守っていると思うと、感謝したい」との声もあった。

 全ての競技が終了後、それぞれの部門で最優秀賞、優秀賞、敢闘賞が選ばれた。最優秀賞は、ポンプ車操法部門で第11分団、小型ポンプ操法部門で第4分団が受賞した。優秀賞は、ポンプ車操法部門=第5分団、小型ポンプ操法部門=第8分団、敢闘賞は、ポンプ車操法部門=第1分団、小型ポンプ操法部門=第6分団だった。

 大会委員長を務めたいすみ市消防団露崎信夫団長は「大会に向け多くの団員が練習に励んでいた。仕事が終わった後に集まり疲労もある中、自分の任務だと思ってやってくれていることに感謝している。普段行わない動きも多く大変だったと思う。操法大会での競技は、火災現場の基本中の基本が含まれている。何かあったときに動くための訓練としては大事。ただ時代と共に消防団の在り方も変わってきた。地域外に働きに出ている人も増え、今までと同じように関わることが難しいこともある。今後、活動や組織の形も変わっていくのでは」と話した。

 現在、消防団に関する国や県の指針の変更が進められており、その影響で同市消防団主催の大会は今回が最後となる。今後は、県の動きに合わせながら開催していくという。