日本を含む先進国ではコロナウイルスのワクチン接種が順調に進み、徐々にポストコロナの本格的な経済再開のフェーズへ移行しようと模索する動きが見られだしている。日本の会社員は、「コロナ後」にどのような分野・業種が伸びていくと考えているのだろうか。全国の20〜50代の会社員449人を対象に調査した。

まずは、「コロナ後」に最も成長しそうな分野を、TOPIXの17分野から選んでもらった。

Q. 新型コロナウイルスの影響が落ち着いた後に最も成長が期待できると思う業種を教えてください。

食品 12.3%
エネルギー資源 7.1%
建設・資材 2.9%
素材・化学 2.9%
医薬品 10.7%
自動車・輸送機 2.7%
鉄鋼・非鉄 0.9%
機械 0.9%
電機・精密 2.4%
情報通信・サービスその他 10.5%
電力・ガス 0.2%
運輸・物流 5.1%
商社・卸売 2.2%
小売 6.2%
銀行 1.8%
金融(除く銀行) 0.9%
不動産 1.8%
わからない 26.1%
その他 2.4%

成長を期待する会社員が最も多かったのは「食品」で12.3%を占めた。2位はコロナ禍で注目を集めている「医薬品」の10.7%、3位は代表的な成長分野であるICTを含む「情報通信・サービスその他」の10.5%であった。

伸びると思う人が一番少なかったのは電力・ガスで、わずか0.2%であった。これは衰退すると考えられているというよりは、代表的なディフェンシブ分野なので「伸びる」というイメージとは対極なのであろう。

実際に投資を行っている会社員に限定すると、1位「情報通信・サービスその他」13.8%、2位「エネルギー資源」12.8%、3位「食品」10.3%となった。こちらも最下位は「電力・ガス」で、挙げた人は1人もいなかった。電力・ガスと不可分の存在であるエネルギー資源が高順位なのは興味深い。

なお、「その他」として旅行業を挙げた人が複数いた。TOPIXの分類では「情報通信・サービスその他」に該当するが、分類が分かりにくかったのかもしれない。

Q. その分野が成長すると思う理由を教えてください。

それぞれの分野について、成長すると思う理由を挙げてもらった。

【食品】
「人流が制限されていたので外食産業の売上が直撃していた。コロナが終息すれば、人が動きだし景気回復が見込める」(男性、50代)
「飲食店に気軽に行けるようになるから」(男性、30代)
「外食を我慢していたから」(女性、40代)

【エネルギー資源】
「在宅での仕事が一般化し電気等エネルギーの需要がより家庭に近くなる」(男性、50代)
「温暖化対策が本格化する」(男性、50代)
「水素が流行ってくる」(男性、20代)

【素材・化学】
「現在でも半導体不足などが聞かれ、今後もまだ需要が続くと思っているから」(女性、30代)
「初期投資が大きく、現在日本が優位な立場にいるモノが多いから」(男性、50代)

【医薬品】
「新しい薬が登場し、医療体制も変わると思うから」(男性、20代)
「コロナ予防接種、特効薬の開発」(男性、50代)
「新しいコロナワクチンをどんどん開発して延々と接種させ続けると思うから」(女性、40代)

【情報通信・サービスその他】
「家で過ごすことが多くなって、家での楽しみに通信が欠かせなくなってきているから」(女性、50代)
「更なるテレワークの加速の影響」(男性、50代)
「コロナの影響で、オンラインで色々なことを行う基盤ができた」(男性、30代)
「サービス業の落ち込みが激しいので、必ず、プラスにはなると思う」(男性、50代)

【運輸・物流】
「ステイホームの影響が強いから」(男性、40代)
「海外との貿易」(男性、50代)
「通販事業は好調だと思う。しかし、店舗販売でショッピングをしたいが、コロナの感染抑制を待っている層も多いと思う」(女性、20代)

【小売】
「インバウンドの復活」(男性、50代)
「街中に人が増えるので」(男性、20代)
「みんなが手っ取り早くお金を使えるから」(男性、40代)

【銀行】
「不景気な企業に融資」(男性、50代)

【不動産】
「リモートワーク等で田舎への移住が増え、田舎の不動産事業者が増えそう」(女性、20代)
「オリンピックが終わり、土地が安くなると思っているので購入する人が増えるのではと思う」(女性、20代)

社会の大局的な変化から予想した人と、コロナ禍で直接的な打撃を受けている分野の急回復を思い浮かべた人に分かれるようだ。「食品」が1位となったのも後者の代表的な存在だからだろう。

なお、TOPIX-17シリーズのETF(上場投資信託)を使って、TOPIX分類別に伸びると思う業種に投資をすることができる。「これは伸びる!」と思う業種があればその分野にまとめて投資することができるので、個別企業を選定するよりは挑戦しやすいかもしれない。ちなみに、2020年の値動きトップ3は「電気・精密」+24.0%、「情報通信・サービスその他」+19.5%、「機械」+15.9%であった。(野村アセットマネジメントウェブサイトより)

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「あなたご自身に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2021年9月
調査対象:全国20〜50代の会社員
有効回答数:449件