2022年、英国株式は先進国株式の中で最も優れた投資リターンを示す

UBSは2015年3月に世界の先進国、先進国地域を投資対象とする株式コアETFを10銘柄、東京証券取引所(東証)に上場させていますが、2022年に入り、年初来で英国株式コアETFが最も高いトータルリターンを示しています(出所:ブルームバーグ。2022年5月末時点。月次、日本円ベース。尚、過去の実績は将来の運用成績を保証していません)。

2022年に入り、世界の投資環境が激変

2020年2月下旬に発生したコロナショック以降、世界の主要中央銀行は金融緩和政策を打ち出してきましたが、その後、コロナワクチン接種が進み、経済が回復傾向をみせる中、物価指数が上昇しはじめ、2021年12月、英国の中央銀行であるイングランド銀行が世界の主要中央銀行に先行して0.25%の利上げを実施し、金融正常化へと金融政策の舵を切りました。

その後、2022年2月にはロシアがウクライナに侵攻。エネルギーを含むコモディティー価格が上昇し、2022年3月には米国のアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き上げを発表。2022年6月に入ると、欧州中央銀行(ECB)が2022年7月から金利引き上げ開始の方針を示し、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が15年ぶりとなる金利引き上げに動きました。

グロース株 vs. バリュー株

コロナショック以降、主要中央銀行による金融緩和政策により、世界の株式市場ではグロース株がバリュー株を大きくアウトパフォームしてきました。

しかし2022年に入り、主要中央銀行が金融正常化へと金融政策の変更を行う中、バリュー株がグロース株をアウトパフォームする状況になっています。

金融政策の正常化による金利上昇により、国債といった安全資産の利回りが高まる中、投資マネーはグロース株を敬遠し、バリュエーションが割安で比較的配当利回りの高いバリュー株への投資選好を強めています。

英国株式は現況下での国際分散投資におけるバリュー株の位置づけ

日本株式コア指数(MSCI 日本)、米国株式コア指数(MSCI 米国)、ユーロ圏株式コア指数(MSCI EMU)と英国株式コア指数(MSCI 英国)のデータを比較してみると、予想PERが最も割安で、最も配当利回りが高いのが英国株式コア指数となっています。また、標準偏差も最も低くなっています。(出所:MSCI。2022年5月末時点。現地通貨ベース。尚、過去の実績は将来の運用成績を保証していません)。

英国株式の近年の投資リターン及びその背景

近年の英国株式は2016年6月23日の英国で実施されたEU離脱を問う国民投票でEU離脱が決定されて以降、先行き不透明感に対する懸念が高まり、米ドルやユーロ、日本円といった主要通貨に対して英ポンド安が進行したこともあり、主要先進国株式の中でも投資リターンは良くありませんでした。

2020年1月31日、離脱協定に基づき英国はEUから離脱しましたが、その後、英国株式の投資リターンは改善傾向にあります。

英国株式コア指数の特性

英国株式コア指数であるMSCI 英国のセクター別アロケーションをみてみると、他の主要先進国株式コア指数と比較してエネルギーセクターの割合が高いことが挙げられます。そして、保有上位10銘柄には石油メジャーであるシェルやBPが含まれています。足元でエネルギー価格が上昇する中、シェルやBPの株価は堅調に推移しています。

また、素材セクターの割合が高いのも特徴となっています。保有上位10銘柄にはリオ・ティントやグレンコアが含まれており、コモディティー価格が上昇する中、リオ・ティントやグレンコアの株価は堅調なパフォーマンスを示しています。

金融セクターの割合も高く、保有上位10銘柄にはHSBCが入っており、金利上昇局面の中、利ざや改善が期待され、堅調な株価パフォーマンスを示しています。そして、生活必需品セクター及びヘルスケアセクターの割合も高く、ディフェンシブ性が相対的に高いことも特徴となっています。

歴史的に配当利回りの高い英国株式

英国株式コア指数であるMSCI 英国は主要先進国株式コア指数の中で最も配当利回りが高く、今後も最も高い配当利回りが予想されています(出所:ブルームバーグ。2022年6月24日時点。尚、過去の実績は将来の運用成績を保証していません)。

ESG評価の高い英国株式

英国株式コア指数であるMSCI 英国は日本株式コア指数、米国株式コア指数、ユーロ圏株式コア指数と比較してESGスコアが最も高く、特にガバナンス・スコアが高いのが特徴となっています。

英国では1999年にターンブール・ガイダンスが公表され、内部統制についての取締役会の責任を明示し、企業自らが適切にリスク・マネジメントを行い、健全な事業の実施・発展を促進することが求められるようになりました。そして2000年には、年金受託機関に対し、投資に対し社会的、環境的、倫理的な配慮がされていればその程度や投資に付随する権利(議決権も含む)の行使に関連した方針の開示が義務付けられるようになりました(改正年金法)。

英国はこうした取り組みを世界の中でも先行して実施してきた結果、英国株式はガバナンスを中心として、相対的に高いESG評価を獲得していると考えられます。

MSCI 英国 vs. FTSE 100

英国株式コア指数を代表する指数としてFTSE 100やMSCI 英国が挙げられますが、どのような違いがあるのでしょうか。

FTSE 100はロンドン証券取引所に上場している大型優良銘柄で構成される時価総額加重の指数とされ、MSCI 英国は英国の株価のパフォーマンスを測定するために設計された浮動株調整後時価総額加重の指数とされています。

指数を構成する銘柄数は、FTSE 100が100、MSCI 英国が81となっています。配当利回りはFTSE 100が3.41%、MSCI 英国が3.77%となっており、保有上位10銘柄の構成銘柄は同じです。また、直近5年の年換算のリターンや標準偏差といったリスク・リターン・プロファイルも同じです。

セクター別アロケーションですが、MSCI 英国の方が若干、生活必需品セクター、エネルギーセクター及び素材セクターの割合が高くなっています(出所:FTSE Russell、MSCI及びUBSアセット・マネジメント。2022年5月末時点)。

直近1年のトータルリターンはFTSE 100が+12.37%、MSCI 英国が+15.64%となっており、MSCI 英国がFTSE 100をアウトパフォームしています(出所:ブルームバーグ。2022年5月末時点。月次、現地通貨及びネット・トータルリターン・ベース。尚、過去の実績は将来の運用成績を保証していません)。

英ポンドの為替動向(対日本円)

日本円をベースに外国株式へ投資する際、日本円と投資対象先の通貨との為替動向は、投資リターンに影響を与えます。2021年12月にイングランド銀行が金融政策の正常化に舵を切り、利上げに踏み込む中、日本の中央銀行である日本銀行は金融緩和政策を維持しています。

こうした背景から足元、日本円は英ポンドに対して「円安」基調ですので、日本円での英国株式投資リターンにおいてはプラス要因の状況にあります(為替ヘッジを行っていない場合。円高基調の時には投資リターンのマイナス要因となります)。

GDPの規模として世界第5位の英国(出所:世界銀行。データは2020年時点)の株式エクスポージャーを取り入れ、コモディティー価格上昇と金利上昇の局面で、エネルギーセクターの割合が高く保有上位10銘柄にコモディティー関連銘柄を保有し、他方でグロース株からバリュー株へのシフトに対応し、予想PERが割安で配当利回りの高い英国株式コア指数への投資を通じ、ポートフォリオの多様化及び投資リターンの改善が期待できます。

東証には2銘柄の英国株式コアETFが上場していますので(2022年6月24日時点)、東証に上場している英国株式コアETFのベンチマークの特性を理解し、東証上場の英国株式コアETFのご活用を是非、ご検討ください。

◆英国株式コア指数をベンチマークとする東証上場ETF

・1389 UBS ETF 英国大型株 100(FTSE 100)
・1392 UBS ETF 英国株(MSCI 英国)

(提供元:UBS ETF)