生命保険金、配偶者が受け取ると思わぬ落とし穴がある

生命保険金、配偶者が受け取ると思わぬ落とし穴がある

 年金大改悪を前にして老後の「お金」の悩みを抱えている人は少なくない。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が講師を務める老後資産セミナーでさまざま質問が飛び交う。Q&A方式で2つ紹介しよう。

Q:生命保険の受取人は妻か、子供か?
A:配偶者が受け取ると思わぬ落とし穴がある

 現役時代に「もしも自分に何かあったら」という理由で入っていた生命保険。そのまま現在も「妻」を受取人としているケースも多いだろう。一家の大黒柱に不幸があれば、妻がまとまったお金を受け取って、子供を育て上げるために使う――そんな考え方だったはずだ。

 だが、相続を考えるべき世代になると、「子供」を受取人としたほうが得になるケースが多くなるのだ。

 生命保険金は「みなし相続財産」として相続税を計算する際の財産に参入される。その一方、遺族の生活保障でもあることから、一定額が非課税とされている。その額は「500万円×法定相続人の人数」だ。妻と子供2人がいれば、合計1500万円まで非課税となる。

 妻を受取人とした保険に加入していた70代のA氏が死亡したとしよう。生命保険金は1000万円。これは、妻が受け取った時点では「非課税」の範囲内となる。

 問題は妻がほどなくして亡くなった場合だ。妻が受け取った保険金は、今度はそのまま「現預金」として他の財産(不動産や預貯金など)と合算され、子供たちに相続されることになる。その際、他の財産額次第では1000万円にかかる相続税(税率10%のケースで100万円)が余計に取られてしまう。

 子供のために入った生命保険なら、余分な税金を取られずちゃんと子供が活用できるよう、受取人を確認しておきたい。

Q:妻に先立たれたら?
A:妻の“置き土産年金”をもらえる可能性も

 専業主婦で国民年金に加入する妻が逝去した場合、夫の収入が850万円以下で、かつ18歳未満の子供がいると遺族基礎年金が支給されるが、年金生活世代はほとんど該当しないはずだ。

 一方、会社員として働き、厚生年金に加入していた妻が亡くなったら、夫は遺族厚生年金の受給権を得る。夫が自営業で国民年金のみの場合、または共に会社員で妻の給料が夫の稼ぎを上回っていた場合は、妻が亡くなったら夫が遺族年金を受け取れる。

「例えば夫の老齢厚生年金が7万円、妻の老齢厚生年金が9万円というケースでは、夫は自分の老齢厚生年金と遺族年金を合わせて9万5000円を受け取れます」(北村氏)

※週刊ポスト2019年1月1・4日号


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