定年後の生活費 ちょっとした見直しで「30年で1370万円」節約できる

定年後の生活費 ちょっとした見直しで「30年で1370万円」節約できる

 定年後、年金だけで暮らしたいと考えている人もいるだろう。その場合、日々の「生活費」を見直す余地がある。成功した人の表情は明るい。

 都内在住の伊藤さん(63・仮名)は「食品ロス」に着目して成功した。伊藤さんの世帯の食費は、家計調査で平均とされる6万4000円だった。

「まずは『無駄な買い物を減らす』ことから始めました。冷蔵庫の中の写真を撮って、“在庫”を常に把握するようにし、極力買い溜めをしないようにする。やってみて分かったのですが、食費だけなら月3万円もあれば十分なんです。毎晩の晩酌にビールを買っても月4万円。無駄は省いているけど、我慢はしていないから、つらいとは思いません」

 他にも無理なく削れる費用がある。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏が勧めるのは「節電」だ。

「家計調査で毎月9000円とされる電気代はやや高い。大きめの戸建てに住んでいると冷暖房効率が悪いので、窓に厚手のカーテンをつければエアコンの効率が3割ほど改善します。こまめな節電で、電気代は夫婦での暮らしなら月6000円程度まで抑えられるはずです」

 丸山氏は家計調査で月1万1550円の自動車維持費も見直し対象だとする。

「特に地方は車を手放せないと言われますが、最近普及しているカーシェアリングを使える地域であれば、コスト削減は可能です。カーシェア大手のタイムズなら基本料1030円、利用料は15分206円からなので、週に一度近場の買い物に利用するなら月4000円ほどで利用できます。買い物はネット通販を活用する手もあります」

 年齢を重ねるほどに増えていく薬はジェネリックを活用したい。5種類以上の薬を処方されている人の割合は65歳以上で約3割、75歳以上で約4割だとする調査もある。そのうち2種類、それぞれ1錠60円の薬を20円のジェネリックに換えて毎食後飲んだ場合、薬代(3割の自己負担)を月額2160円減らすことができる。

「一家に一台」が当たり前だった固定電話も見直しが必須である。携帯電話、スマホが主流になり、固定電話を利用するメリットは少ない。振り込め詐欺や悪質な勧誘のリスクが増すばかりだ。

 NTTを利用している場合、月々の基本料金は1700円(税別)。解約すればこの費用を丸々浮かせられる。

 こうした工夫の、ひとつひとつは些細なものだが、図の通り、合わせると毎月4万円弱の支出減になる。30年続けると1370万円に達する計算だ。

※週刊ポスト2019年7月19・26日号


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