夫婦の寝室は同室か別室か──。リクルート住まいカンパニーの調査では、20代は9割以上が同室、30代では約7割、40代・50代では約6割。年代を高くなるほど同室で寝る割合は減っている。実情を聞いてみると、様々な苦悩や工夫が見えてきた。

 30代女性看護師のAさんは、交代制シフトゆえの夜勤があることで、会社員の夫との生活リズムが合わなかった。それでも新婚当初は寝室を同室にしていたが、今年の秋から別室にした。

「早朝に終わる深夜勤であれば、夫の出勤時に顔合わせる感じになるか、すれ違うだけなのでまだいいのですが、準夜勤のシフトだと帰宅が深夜になるので夫に気を遣うことが多く、仕事終わりに物音を立てないように家で過ごすのが苦痛なので別室にしました」(Aさん)

 別室にしたことで「健康的になったし、独身時代に戻ったようで楽しい面もある」と話す。

「一緒に寝ていたときは、夫のいびきと歯ぎしりで睡眠が邪魔され、睡眠不足で仕事に支障をきたすことがありました。夫からも私がおならをしていたと報告されたことがあり、恥ずかしいし、以来緊張して、ますます眠りが浅く……。でも、別室になってからはよく眠れるし、休日には相手の寝室に“お泊り”するのが結構楽しい。お互いの寝室からLINEで連絡することもあり、程よい距離感も気に入っています。新鮮さもあって、かえって夫婦仲がよくなりました」(Aさん)

 Aさんとは反対に、もともと別だった寝室を一緒にしたというのは、20代女性会社員・Bさんだ。夫婦ともに土日が休日の会社員だが、夫は残業が多いことから、当初寝室は別室にしていた。すると、夫婦の関係性にもある変化が見られるようになったという。

「夫が、疲れているためか、寝室ではなく、リビングのソファで寝ていることが多くなり、自然と寝室が別になりました。すると同居人みたいな感覚になってしまい、さらに口数が減少。そうなると何を話していいのかわからなくなり、気づけば顔を合わせて話すことも避けるようになっていました」(Bさん)

 破局危機ともいえる状況を変えたのが、同室にしたことだった。

「やっぱり同室にすると、会話もスキンシップも増える。お互いに同じ時間にベッドに入れるときは、その日に起きた出来事を報告し合うことを習慣にしました。そのときの話は、一切、相手に否定的なことを言わないことをルールにしました。夫婦関係が改善したのはもとより、彼が残業が少ない会社に転職することを決めてくれました」(Bさん)

 同室でも、“別室のような空間”を作り出した夫婦もいる。30代男性会社員のCさんだ。

「僕は独身時代から隣に誰かいるとあまり眠れないタイプで、妻はすぐに寝られるタイプでした。一緒のベッドに寝るのが苦手で苦痛になっていたので、同じ部屋にシングルベッドを2台置いています。少しの距離ですが、寝返りも好きなだけうてるし、快適です。ただ、僕のいびきがうるさいみたいで、妻は耳栓をつけているみたいですが(笑)」

 同室か別室か、一概にどちらがいいとは言い切れないが、それぞれの夫婦関係によって、ベストな選択は変わってくるのは間違いないだろう。