離婚するのも大変だが、離婚が成立してからも大変だ──。特にシングルマザーになる場合は、名義変更をはじめとする数多くの手続きに加え、子育てや住居、仕事など、さまざまな問題が大きな壁となって立ちはだかる。厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子家庭の平均年収は243万円。これを受け、自身もひとり親の節約アドバイザー・丸山晴美さんは言う。

「現在は月20万円以上の収入があったとしても、自治体からひとり親向けの手当をもらえる期間には限りがありますし、コロナ禍で経済状況が悪化しているいまは、雇用止めや収入減などの打撃を受ける可能性が高い。万一の減収に備え、固定費をできるだけ抑え、月20万円でやりくりする家計に慣れておくことが大切です」(丸山さん・以下同)

 あわせて、家賃、食費、光熱費など、支払いの優先順位を決めておくことがおすすめだという。そうすれば、何を切り詰めるべきか明確になる。それでも、経済的打撃を受けたらどうすべきか。

「現在、『児童扶養手当』の受給資格がなくても、新型コロナウイルスの影響で、収入が『児童扶養手当』の受給資格と同じ水準となったひとり親世帯には、『ひとり親世帯臨時特別給付金』が役に立ちます。申請すれば、子供1人につき5万円、第2子以降は1人につき3万円が給付されます」

 ほかにもコロナの影響で減収した世帯には、保証人や利息なしで貸し付けてくれる『緊急小口資金』もある。コロナ禍で、これまでとは制度や支給状況が変わってきている。最新情報を確認しよう。

「ただし、注意すべきはこういった臨時収入に期待しすぎないこと。基本は自分の稼ぎで家計を回し、臨時収入は積み立てるなどして、学費や老後資金にしましょう」

 毎月必ず入る『児童手当』はないものとして貯金に回すなど、自動的に貯まるシステムを作っておくと安心だ。

【*別掲表の「主な公的制度16」の詳細は自治体によって異なることもあるため、住まいの自治体に確認を】

最後の命綱!『生活保護』を受けるには?

 どうしても家計の困窮を乗り越えられなかった場合、最後の手段として『生活保護』がある。

「車や貯金などの資産があったり、逆に負債がある場合、受給できません。審査は自治体によって異なりますが、厳しいといえます。受給できた場合も、生活を立て直すまでの間、一時的に利用するという心づもりが大切。というのも、受給中は現金貯蓄を含め資産の保有ができません。子供の教育費を貯めたいなどの目標がある場合は、できるだけ早く受給を打ち切り、自立を目指した方が得策です。ちなみに、借金は、生活保護費で返済できません」(丸山さん)

 ひとりで背負って悩まず、困ったらまずは自治体に相談を。基本的な受給条件は以下の通りだ。

■収入がない
就労収入や仕送り、売却で得たお金などを含めたすべての収入が、厚生労働大臣の定める最低生活費(居住地により異なる)に満たない。加えて、けがや持病があり働けない、親族から援助を受けられない場合も対象に。

■資産
10万円以上の預貯金、学資保険など貯蓄性のある保険、投資資産、申請者が住んでいない土地・家屋、生活に必要不可欠とはいえない車、バイク、高額で売却できる価値があるもの、といった資産を保有していないこと。

■負債
住宅や車のローンなどがない。

取材・文/桜田容子

※女性セブン2020年12月10日号