大好きなアイドル、心がトキメク俳優やアニメキャラクターなどを、心ゆくまで堪能し応援する「推し活」に夢中になる人が多い。本誌・女性セブンが読者1175人に実施したアンケートによると「推し」がいると答えた人は72%だった。

 当然、推し活にはそれなりの出費もかさむ。同アンケートによれば、年間の推し活の活動資金は1万以上5万円未満だという人が多いが、中には250万以上500万円未満という強者も存在した。何にそんな大金を使っているのか──。実際に推し活をしている人に聞いてみた。

「もともとはバンギャ(ヴィジュアル系バンドファンの女性のこと)なので、化粧をしていないバンドマンなんて絶対無理!と思っていたのに、あるライブでロックバンド『キュウソネコカミ』の男らしいパフォーマンス姿を見て一気に沼落ち。昨年は、全国ツアー約10公演や台湾ライブの遠征費、米ロサンゼルス公演(コロナで中止ですが飛行機代など全額支払い済みで返金なし)など、200万円以上はつぎ込みました」(30才・会社員)

「あるだけ使っているが後悔はしていない」(30才・主婦)

「長野県のゆるキャラ『アルクマ』。主にりんごのかぶりものをしたクマで、その見た目のかわいさにひと目ぼれ。たくさん会いたくて、3年前、長野県に別荘を購入。可能な限りイベントに参加しています」(44才・会社員)

「推し仲間との交際費がかさみ、貯金に回すお金がない!」(59才・会社員)

「K-POPグループ『iKON』のジュネ推しで、国内外の全コンサートに参加。“ハイタッチ・リハーサル鑑賞”の抽選など、総額の出費は150万円以上でしょうか……」(32才・専門職)

泥沼に陥らないためのプチ節約のすすめ

「推し活」に資金は不可欠だが、アンケートでは出費の悩みが多かった。「貯金0円では、いざというときに不安。つぎ込みがちの人はルールを作ることが大切です」と、ファンドアナリストの篠田尚子さんは言う。篠田さん自身、野球・バンド・ジャニーズと3分野の推し活に励む自称“オタク浪費金融家”だ。

「時間もお金も限りがある。でも生きる活力の推し活も諦めたくないんです」(篠田さん・以下同)

 そんな彼女だが、2つのルールを決めているという。

「生活費を除き、毎月一定額を別口座に移す“隔離政策”と、iDeCoやつみたてNISAなどの“積み立て政策”に回して、残ったお金を推し活につぎ込んでいます」

 会社員なら月収の3か月分の蓄えを、基準として常に持っていてほしいとも。

「あるだけ使ってしまう人は、毎月5000円だけを先に隔離するというプチルールを課してみてください。3か月貯められたら次は1万円と、徐々にステップアップしてみましょう。たかが5000円でも、その余裕が推し活をもっと楽しくさせるはずです」

 だが、注意事項もある。

「高額転売のチケットやグッズなど違法なものに手を出さない! 一度たがが外れると、私生活もルーズになります」

 幸せ沼ならぬ泥沼に陥らないよう、自分の身の丈に合った使い方を心がけたい。

【プロフィール】
篠田尚子(しのだ・しょうこ)さん/楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト。推し活にも精を出す。近著に『一生楽しく浪費するためのお金の話』(イースト・プレス)がある。

取材・文/佐藤有栄

※女性セブン2021年1月28日号