みずほ銀行のATMで、またも大規模障害が発生した。今回は利用者のキャッシュカードや通帳が呑み込まれ、各地のATMコーナーは、怒声とため息に包まれた――。

 2月最後の日曜日、都内在住の20代女性Aさんは、正午過ぎに自宅近くのみずほ銀行支店に立ち寄った。

「ATMコーナーで高齢男性が画面に向かい『何だよ、これ!』と怒鳴っていたけど、『故障かな』と気に留めなかった。そのまま他のATMにカードを入れて暗証番号と金額を打ち込むと、『お取り扱いできなくなりました』とのメッセージが出て驚きました」(Aさん)

 すぐ備え付けの受話器を取るも、「ただいまおつなぎしております」のメッセージに数分付き合わされた挙句「またお掛け直しください」の音声とともに切れる。カードは呑み込まれたままで、周りの利用者も一様に焦った面持ちで受話器を握り、中には“ガシャン”と叩きつける人もいた。

 2月28日、みずほ銀行でシステム障害が発生し、全国のATM約5400台のうち4318台が利用できなくなった。

「銀行と全く連絡がつかず、その場を離れられないまま、知らずに訪れる人に『いま使えないんです』と何度も状況を伝えました。私も被害者なのに……」(Aさん)

 インターネット上には全国の被害者から、「またみずほか!」と怒りの声が溢れた。

 トラブル発生から2時間後、Aさんを“解放”に導いたのは、当事者の銀行ではなかった。

「その場にいた他の人が警備会社のALSOKと電話がつながり、『後日、銀行から連絡がくるので今日は帰って大丈夫』と言われました。腹立たしいのはこの2時間、みずほから何のアナウンスもなかったこと。もっと迅速に周知したらこんなに長く拘束されなかったはずです」(Aさん)

 対応の遅れは際立っていた。最初のエラー発生は当日9時50分頃だったが、行員が現場に駆けつけたのは発生から7時間後の17時すぎだった。都内在住の40代男性も憤りを隠さない。

「当日は16時過ぎに自宅近くのATMでカードが呑み込まれた。後日カード返却の際、『障害判明後にATMを閉鎖できたのでは?』と問うと、『警備会社との連携が十分ではなかった』と平謝りするばかりだった」

 今回、被害に遭った作家の高橋源一郎氏は、翌日に〈みずほ銀行の行員さんが吸い込んだカードを届けに来られた〉とツイート。しかしAさんは、支店での受け取りか郵送を提案されたという。

「返却時も行員は『大変申し訳ございません』と言うのみ。帰り際に白い封筒を手渡されたので『クオカードかな』と思ったら、東京五輪のマーク入りボールペンと、みずほのゆるキャラ『あおまる』のメモ帳が入っていた。イラッとしてすぐ捨てました。行員がカードを自宅まで届けた事例もあるようですが、私の残高が大して多くないから対応が違ったのでしょうか……」(Aさん)

※週刊ポスト2021年3月19・26日号