早くも「第4波」の到来が指摘され始めた。新型コロナウイルスが感染拡大し始めてから1年以上が過ぎ、リモートワークや外出自粛が続いたおかげで、家庭内にはさまざまな影響が及んでいる。今回、「おうち時間を充実させるために何を買うか」をめぐり夫婦喧嘩になったという30代主婦に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 感染力が強いとされる変異ウイルスの流行により、新型コロナの感染が再拡大しつつある。「まん延防止等重点措置」が適用されたエリアを中心に、不要不急の外出を控えるなどの感染症対策を引き続き行う必要がありそうだ。

 まだ収束の兆しが見えないコロナ禍で、おうち時間の楽しみ方にも引き続き注目が集まっている。おこもり美容や資格取得のための勉強、小遣い稼ぎの副業など、時間の使い方は人それぞれ。しかし中には、おうち時間でのお金の使い方を巡ってトラブルに発展した家庭もある。

 都内に夫と2人で暮らすサービス業勤務の佐々木裕子さん(仮名、34歳)は、おうち時間を楽しむため、さまざまなことに取り組んできたそうだ。

「新型コロナ以前はキャンプなどのアクティブな趣味が好きでしたが、外出自粛により大きく変わりました。自宅で楽しむ趣味がほとんどなかったので、自分にハマるものを模索し続けていたんです」(佐々木さん、以下同)

 昨年来チャレンジしてきたものは、オンラインゲーム、資格取得に向けた勉強、読書とのこと。どれも佐々木さんにはハマらなかったが、そうした中で唯一の楽しみといえるのが入浴時間だった。

「私にとって入浴は一番リラックスできる時間であることに気づきました。自宅の浴室をより充実した空間にしたくなり、グッズをたくさん集め始めました。そのうちに、洗浄力が高くて美容にもいいと評判の高級シャワーヘッドを購入したいと思ったんです」

 最近はウルトラファインバブルという、直径1マイクロメートル未満の目に見えない微小な気泡を発生させることができるシャワーヘッドが人気だという。皮膚に付着した細かな汚れまで落とすことができ、保湿性が高く美容にも効果があるといわれており、美意識の高い人たちの間で話題となっている。節水効果が高いのも特徴で、商品によっては節水率50%を謳うものもある。各メーカーから蛇口や浴槽の給湯口などに取り付ける製品が多数出ており、シャワーヘッドの価格の相場は1万〜3万円程度。

 佐々木さんとしては、「夫婦でおうち時間を楽しみたい」という動機もあり、シャワーヘッドの購入を提案したという。しかし、同時に夫にも欲しいものがあったようで、意見がぶつかってしまった。

「夫に相談したら『俺も欲しいものがあるんだよ』って言ってきたんです。それは、1万円程度で購入できるフィットネスゲームソフトのセットでした。SNSで話題になっているようで、昨年は品薄が続いた人気商品のようです。夫曰く、『これなら無趣味な君でも楽しめるんじゃない?』。この言い方がバカにされているような気がして、ムカっ腹が立ちました」

 普段から、夫に1時間を超える長風呂をやめてほしいと注意されていた佐々木さん。「これ以上の長風呂をされたら困る」と、シャワーヘッドの購入に猛反対されてしまったという。

 結局話がまとまることはなく、何を買うかは膠着状態に。その状況にモヤモヤした佐々木さんは、夫には内緒でシャワーヘッドを購入したそうだ。

「夫に内緒のつもりなので、入浴のたびにシャワーヘッドを付け替えて使っています。面倒ですが、取り付けは簡単なので……。節水効果でそのうち元はとれるのに『美容? 無駄無駄!』と、頭ごなしに言ってきた夫には、絶対に使わせません」

 現在も“冷戦状態”が続いているという佐々木さん夫妻。気持ちは晴れないが、購入したシャワーヘッドを使いながらの入浴は最高だそうだ。話をよく聞くと、佐々木さんは気になったものを試さずにはいられない性格。衝動買いが癖で、使わなくなったものが自宅の収納スペースを圧迫しているという。最近は夫に促されて不用品をフリマアプリに出品し始めたとのこと。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のためにも、引き続き自宅で過ごすことは大切になりそうだ。家族と意見を交わし合うことも重要だが、こじれすぎて“空気の悪いおうち時間”とならないよう気を付けてほしい。