ゴールデンウィークが明けても新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、4都府県に出されている3度目の「緊急事態宣言」も対象地域を追加して延長された。まだまだストレスの溜まる生活を強いられそうだが、皆どのようにストレス解消しているのだろうか。長引く妻と2人の“自粛生活”に行き詰まりを感じ、ある催しに出かけたという30代男性に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 新型コロナウイルスの感染拡大は、家庭におけるパートナーとの仲にも影響を及ぼしている。妊娠・育児関連の情報を提供する「ベビカム」が実施したアンケート(2021年2月17日発表)によると、「夫やパートナーとの現在の仲について不安がある」と答えた人は38.8%に上った。コロナに対する価値観の差、コロナ禍で溜まったストレスなどが理由となっているようだ。

 税理士事務所に勤める都内在住の藤田卓也さん(仮名・38歳)は、新型コロナウイルスの影響で夫婦仲が悪化してしまったという。藤田さんは現在、1LDKのマンションに妻と2人で暮らしている。

「コロナ前は事務所へ出勤していましたが、現在は在宅勤務です。妻は薬剤師で、ドラッグストアで働いています。出勤の支度をしない私を見て、妻は『楽そうでいいね』と言ったんです。職業柄、コロナでピリピリしているのかもしれませんが、失礼な人だなって……。この件を境に、徐々に妻を尊敬できなくなり、嫌悪感を抱くようになりました」(藤田さん、以下同)

 藤田さんが在宅勤務で妻が休みの日は、自宅の空気は最悪だという。藤田さん曰く、妻は一日中、大音量でネットゲームをするそうだ。リビングで仕事をしている藤田さんからすると迷惑でしかないが、話し合いをするたびに激しい喧嘩になってしまうだけで、解決に向かうことはできなかったという。

「妻はネットゲーム上に沢山の仲間がいるようですが、私はやりません。私も誰か外の人に話を聞いてほしいと思った時に見つけたのが、既婚者合コンでした」

 既婚者合コンとは、その名の通り、既婚者同士が友達を作ることを目的とした集まりである。インターネットの案内サイトを見ると、多くのパーティーで予約が埋まり、人気ぶりがうかがえる。3度目の緊急事態宣言中も、感染対策を行ったうえで開催されているようだ。

「酒類の提供は一切なく、参加費は普段よりも安く設定されているようでした。それでも男性は1万円弱と決して安くはありませんが、友達ができたらいいなと思い、参加することにしたんです」

 そう明かす藤田さんは、妻の出勤日に合わせ、既婚者合コンに参加した。会場はアルコール消毒や検温、パーテーションの設置などがされており、安心できたという。しかし、パーティーが始まると、徐々に不安が増してきたそうだ。

「最初は雑談で盛り上がっていましたが、徐々に参加者同士の距離が近くなっているように感じました。友達作りは建前なのかなと……。お酒は飲まないとはいえ、場が盛り上がれば自然と声も大きくなるのは当り前ですよね。万が一、ここでコロナに感染したら……そう思ったら、参加したことを後悔するようになりました」

 日頃の愚痴を発散できると思っていた藤田さんであったが、実際はそのような話をする雰囲気ではなかったそうだ。隣になった男性と他愛のない雑談をし、既婚者合コンを後にしたという。二次会にも誘われたが、藤田さんは家に帰ることを選んだ。

「ステイホームが呼びかけられている中での外出。それも既婚者合コン。感染経路をたどられたら、妻から離婚を言い出されるかもしれません。実際に何かあったわけではないですが、妻にも会社にもオープンに話しにくい集まりであることは確かです。早くコロナが収束し、何も気にせず居酒屋で一人酒が楽しめる日々に戻りたいです……」

 自分としては離婚は絶対に避けたいという藤田さん。状況を改善させたい気持ちはあるものの、妻とどのように接したらいいのか分からなくなったため、最近はインターネットの質問サイトでアドバイスをもらっているそうだ。

 新型コロナウイルスと向き合う日々が長くなっていることもあり、誰もが心身ともに疲弊してきている。大切な人との関係が悪化する前に、気持ちをリフレッシュできる方法を考えてみるのも良いかもしれない。