年を重ねても学ぶ意欲を失わず、子育てや仕事を勤め上げた後に、再び勉強を始めて新たな人生を切り開く中高年が増えているという。50代や60代から一念発起し、難関試験に合格する人たちは、いったいどんな方法で高いハードルを超えていったのだろうか。

 英会話学校『イーオン』で、最高齢教師を務める日高由記さん(71才)が本格的に英語学習に取り組んだのは、46才のとき。それまでは専業主婦だった。

「高校時代から英語が好きで、大学も英文科でした。大学在学中の23才のとき、新聞記者だった夫と結婚して、すぐに家庭に入りました。その後は、たまに海外から来る知人と会話する程度で、英語の勉強はほとんどしていません」(日高さん・以下同)

 専業主婦時代は家事に子育てにと、めまぐるしい毎日を過ごしていたが、子供の独立を機に、大好きな英語の勉強をし直そうと決意した。

「英会話スクールに入り、週に1回レッスンを受けていましたが、続けていくうちに、もっと英語で話がしたいと思うようになりました。高校で英検2級を取っていたので、『じゃあ1級を取ってみよう。それと同時に通訳案内士の資格も取ろう』と、そちらの学校にも通うようになったんです」

 日高さんがまず実践したのが「多読」だ。

「語彙を増やし、どのように英語の文章が組み立てられているかを知るために、たくさんの英文を読む必要がありました。それを習得するために『TIME』や『ニューズウィーク』といった英文で書かれた雑誌をひたすら読みました」

 参考書『総合英文読解ゼミ 高校英語』(山口俊治著/語学春秋社)を2冊購入。そのうち1冊は単元ごとに切り離して持ち歩き、3〜4回繰り返して読んで英単語と英語の構文を頭に入れた。そのほか、英語学習で役立ったのが映画やドラマ鑑賞だ。

「まず字幕なしで見る。次に日本語字幕で内容を把握してから、英語字幕で見る。それを何度か繰り返し、最後にまた字幕なしで見る──私はそうしていました。英語は耳で聴いて理解していくので、リスニングをしながら字幕で英単語や構文をチェックできる映画やドラマ鑑賞は、英語上達にとっても役立ちます。できれば会話が多いものがいいですね。コメディードラマ『フレンズ』は構文もしっかりしているのでおすすめです」

 その甲斐あって、51才で英検1級に合格。53才で通訳案内士の資格を取得。56才からは英会話学校『イーオン』で教師として働き始めた。現在の目標は、TOEIC満点(990点)を取ることだ。

「3年ほど前に985点を取っているんですが、まだ伸ばせると思っています。ですから日々、頑張っています。英語はリスニング、リーディング以外にも“音読”が必要です。生徒様からもよく、『車に乗っている間に英語の教材を100回以上聴いているのに、全然覚えられない』などと相談されますが、それは口に出して音読していないから。見て、聴いて、口に出して語学は身につく。それがやっぱり基本です」

取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2021年6月17日号