思春期にありがちな自己顕示欲と劣等感が交錯した言動を揶揄する「中二病」(厨二病)という言葉があるが、その派生語として、大学生になって調子にのった言動をする人を「大二病」と呼ぶこともあるようだ。これまでの高校生活と違って、一人暮らしをしたり、お酒を飲んだりするようになって、羽目を外す機会も増えることがその背景にあるのかもしれない。

 そうした大学生たちの中には、ネットリテラシーの低さも相まってか“痛い画像”をSNSに投稿する者もいる。たとえばインスタグラムのストーリー機能を使えば24時間で投稿が削除されるため、後に残らないと思って投稿するケースもあるようだ。関西の私立大学の3年生・Aさん(男性)が語る。

「大学生の“痛い投稿”にはいくつかの種類があって、僕が勝手に分類すると、『痛い飲み会系』『タバコ吸う俺カッコイイ系』『マルチ商法系』『アウトローアピール』『エロ系』『病みポエム』『ブランドアピール系』ですかね。

 たとえば飲みサー(飲み会サークル)に入った陰キャ(ネクラ系キャラ)たちが、バケツとか大きなビニール袋に大量の酒を注いで飲んでいる画像とか、『簡単にカネが稼げるよ!』っていうマルチ商法に勧誘するものとか。あとは、大量のタバコの吸い殻を乗せたスモーカーアピールなんかもありますね。

 ストーリーは24時間で消えるので、ネットリテラシーが低い子たちは気が大きくなるのでしょう。なかには未成年飲酒を匂わせるものや、犯罪まがいの画像などヒドいものもある。大学に報告されたら退学になるような画像もあるので、ただ笑って見ていられるものだけではありません」(Aさん)

大学生の投稿だけでなく高校生まで

 さらには、そんな大学生たちの痛いSNS投稿を“勝手に晒す”ツイッターアカウントも登場し、波紋を呼んでいるという。

「回りにもそのアカウントをフォローしている大学生は多いです。『大学生あるある』や『大学生の黒歴史』に共感が集まって、人気を集めているんだと思います。最近では、高校生の痛い投稿を晒すアカウントも出現しています」(Aさん)

 ネットリテラシーの低い大学生たちが、痛い投稿をして嘲笑されるのは自業自得の面もあるだろうが、こうしたアカウントによって拡散された投稿は、デジタルタトゥーとしてネット上で“消せない過去”として残り続ける。関西の私立大学の2年生・Bさん(女性)はこうした風潮に懸念を示す。

「周りの女友達が『これ面白いよ』と話題にしていたので、私もアカウントをフォローしたんです。最初は笑って見ていましたが、正直だんだんと『これ、笑えないわ』と冷めてしまって……。特に『仲間内で面白ければ正義!』みたいな風潮、いわゆる“身内笑い”みたいな風潮が気持ち悪いなと思っています。

 なかには『自分もそのアカウントに取り上げてもらいたいw』などと盛り上がっている人たちもいて、あえて痛い画像を投稿する悪ノリ学生もいる。今はコロナ禍で、ある程度の自粛が強いられている状況なので、気分が悪いですね。

 そもそも、そのアカウントもフォローしている人も、勝手に他人のストーリーを晒す行為に対してなんとも思わないのでしょうか。面白おかしく友人や知人の投稿をスクショ(スクリーンショット)して、勝手にDMで提供するというのは、モラル的にも問題があると思いますし、高校生にまでこの流れが及んでいるのは怖いですね」(Bさん)

 なかには学生同士の内輪ノリで楽しめる範囲を超えて、笑い事で済まされない画像もある。そして、画像の真偽すら確かめられることなく、晒され、拡散されている現実がある。かつて、ツイッターで自分の愚行をさらけ出す「バカッター」問題が大きく取り上げられたが、あらためて若い世代のネットリテラシーが問われているのではないだろうか。