『三国志』は多くの人々を熱狂させるトピックである。元々は中国の歴史書『三国志』があり、そこから小説『三国志演義』が誕生。さらに現代日本では小説、漫画、ゲームの題材として取り上げられるようになり、今や史実かどうかはあまり関係なく、そのキャラクターやエピソードが愛されるようになった。飲み屋で中高年男性同士でたまたま三国志の話題が始まった場合、特に盛り上がるのは「誰が強いか?」という問題だ。ここでは小説、漫画、ゲームを通じての三国志ファンであるネットニュース編集者・中川淳一郎氏が「三国志最強武将TOP10」を選出する。

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 いやぁ〜、私は三国志が好き過ぎて、吉川英治の小説と横山光輝の漫画を何度も読み、1988年以降、コーエーテクモゲームス(かつては「光栄」)の歴史シミュレーションゲーム『三國志』シリーズをずっとやり続けています。現在は、2013年に発売されたニンテンドー3DSの『3DS三國志』をほぼ毎日やっています。

 さて、最強武将が誰かをこれらの小説・漫画・ゲームから判断すると、呂布こそ最強であることは否めないと思います。なんとか呂布以上に強いヤツがいた! と言いたいところですが、何しろ呂布は一人で関羽・張飛・劉備を相手にして軽くいなしたという実績があるので、まぁ、呂布はNo.1でしょう。これは決定です。さぁ、この後がどうなるか? という話になってきます。

 トップ10の候補として挙がってくるのは、各勢力からすると以下の武将ではないでしょうか。異論は大いに歓迎です。なんならお酒を飲みながら、朝まで語り合いたいくらいです。

●「三國志最強武将ランキング」へのノミネート武将
【袁紹】顔良、文醜
【魏】張コウ、許チョ、典韋、夏侯惇、夏侯淵、ホウ徳、張遼、曹彰、徐晃
【呉】孫堅、孫策、太史慈、周泰、甘寧、朱桓、黄蓋
【蜀】関羽、張飛、趙雲、黄忠、馬超、姜維、魏延
【その他】華雄、兀突骨、孟獲、張任

 上記29人がトップ10候補に入りました。ゲームの『三國志』では、「武力」というパラメーターがあり、一騎打ちでどちらが優勢か判断できますが、しかし、それはあくまでもコーエーテクモゲームスの判断。

 三国志武将の強さはファンの皆様の総合的な判断で、各自が決めてもいいのではないでしょうか。ちなみにゲームにおける呂布の「武力100」に次ぐのは張飛・関羽の「99」であることが多いです。

 だったらこの2人、どちらが強いのか? 関羽は董卓配下の猛将・華雄に勝ったほか、袁紹にとって優良武将だった顔良と文醜を倒した点について高く評価されています。張飛は馬超と互角の一騎打ちをしたことなどで高く評価されています。しかも、張飛は呂布と一騎打ちで引き分けています。虎牢関の戦いの後、腕を上げたのではないでしょうか。さらには蜀進行の際、蜀の猛将・厳顔にも勝っている。

蜀の武将が多すぎるか?

 私としては、頭は悪く、猪武者である張飛の方が関羽よりは強いのでは? と感じています。となれば、趙雲の扱いにについて考えたくなるのですが、趙雲はとにかく活躍期間が長い! 長坂の戦いでは、曹操軍100万人の中を孤軍奮闘し、劉備の息子・劉禅を救い出す活躍を見せる。年老いても姜維と一騎打ちで互角に戦う。

 黄忠については、やはり年老いても夏侯淵を倒したことが評価の対象になることでしょう。馬超もとにかく曹操をきりきり舞いの状態にした。相当な武力があったと思われます。馬超の評価については「張飛より少し弱いのでは……」といったところになるでしょう。

 部下的存在だったホウ徳が後に関羽と見事な戦いをした点も踏まえて、馬超もホウ徳もかなり武力としては上位に来るでしょう。

 魏の許チョと典韋については、正直どれだけ強かったのかは分かりません。雑兵を相手にした場合2人とも無類の強さを発揮しましたし、2人の一騎打ちも互角でした。しかし、作品内での明確な「強い」というエピソードが若干少ないのです。許チョは多少はありますので、典韋よりは上でしょう。そして許チョは馬超と一騎打ちで互角に闘った。こうしたことも加味して、最終的なランキングに移ります。

 なお、顔良と文醜については過大評価かな、という気もします。なにせ、関羽と夏侯惇は一騎打ちで引き分け的な終わり方をしたわけであり、顔良と文醜は敗れています。あくまでも各種三国志関連ストーリーで袁紹を巨大勢力に見せるべく顔良と文醜を強く見せる必要があったのではないでしょうか。

 呉については、孫策と太史慈の一騎打ちが名高いですし、甘寧が少数の兵を率いて城を奪ったことなどもあります。ただ、呉の武将については、あまり魏蜀との一騎打ちシーンが少ないんですよね。本当はすごかったかもしれないのですが、評価がしづらい。「南蛮」の兀突骨などは「なんか凄そう」みたいなイメージです。

 魏呉蜀の中で、「猛将」は蜀に偏る傾向がありますが、悩んでいても切りがないので、ここで三国志最強武将ランキングを作ってみます!

●中川淳一郎が厳選!「三国志最強武将ランキング」トップ10
【1位】呂布
【2位】張飛
【3位】趙雲
【4位】許チョ
【5位】関羽
【6位】黄忠
【7位】馬超
【8位】甘寧
【9位】孫策
【10位】ホウ徳

 総合的に考えて、こんな感じだと思うのですが、いかがでしょうか。三国志、皆さんそれぞれ「最強武将」への思いはあると思いますので、暇があったらランキング作ってくださいね〜。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、博報堂入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。現在は佐賀県唐津市に在住。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『恥ずかしい人たち』(新潮新書)。