NISSAN GT-Rが復活。進化して2024年モデルが登場した

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2022年5月に2022年モデルの受注が停止され、2022年9月をもって生産終了となっていた「R35型NISSAN GT-R」の2024年モデルが発表されて話題となっている。2023年モデルの発表がなかったことから「もうGT-Rの復活はない」と言われていたが、2023年1月の東京オートサロンで突如2024年モデルがお披露目されてファンを喜ばせていた。いよいよその復活が現実のものになったわけだ。

新車外騒音規制への対応が復活の鍵だった

フロントとリアのトルク配分を緻密に制御することでコーナリング性能も向上まず、2024年モデルのポイントは、最高出力や最大トルクなどのパフォーマンスを維持しながら、走行時の不要なノイズと振動を低減する新車外騒音規制対応の新構造マフラーを新開発して採用したことにある。GT-Rの継続の最大のネックが2022年からの騒音規制強化にあったからだ。それは排気音だけでなくタイヤノイズやエンジン音にも及び、それをクリアするためには、全面的な設計変更や高価なパーツの投入が必要とされていた。

新車外騒音規制対応の新構造マフラーを新開発して採用技術的には不可能なことでなくても、それを手の届く価格でまとめるのは難しく、そのため、もうGT-Rの新型が登場することはないのでは、と言われていた。まず新車外騒音規制対応の新構造マフラーなどで、騒音規制問題を解決したことに拍手を贈りたい。しかも、「綿密に調律された感性に響く、迫力ある新たなGT-Rサウンドを感じられる」というから楽しみだ。

R35型の集大成としてパフォーマンスを追求

2024年モデルの変更点はそれだけではない。日産自動車のアシュワニ・グプタCOOが「最先端の技術と匠の技を掛け合わせ、新たなデザインをまとった2024年モデルは、R35型の集大成」と語るように、速さだけではなく、洗練された乗り味も追求し、トータルバランスを高次元まで求めたものに一新されている。

まず驚かされるのがスタリングにまで手が加えられたこと。エアロダイナミクスを追求して、前後のバンパーやリアウイングの形状を大胆に変更、タイヤの接地性を高め、洗練された乗り味が実現されている。

前後のバンパーやリアウイングの形状を大胆に変更

従来モデルと同様、スタンダードタイプと高性能仕様の「NISMO」がラインナップされるが、スタンダードタイプには「Tスペック」の名を冠した特別仕様車も設定。「プレミアムエディション Tスペック」では、専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキなどを採用している。

一方レーシングテクノロジーが最大限に注ぎ込まれた「NISMO」は、空力性能の磨き込みとサスペンションのチューニングを行い、フロントメカニカルLSD追加にあわせて4WD制御を最適化。フロントとリアのトルク配分を緻密に制御することでコーナリング性能も向上させるなど、GT-R史上最高のパフォーマンスを発揮する。また、「専用RECARO製カーボンバックバケットシート」を刷新し、車両との一体感、快適性の向上も図っている。

車両との一体感を⾼めた新開発専⽤RECARO製カーボンバックバケットシートを採⽤

さらに「 NISMO スペシャルエディション」では、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用し、クリア塗装を施したNISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)などを特別装備する。

NISMO専用カーボン製バケットフード

ラインナップは特別仕様をふくめると実に8グレード

パワートレーンはいずれもエンジンは3.8L V6 DOHCツインターボ、トランスミッションは6速DCT、駆動方式はフルタイム4WDと、スペックも含めて従来型と変わらないが、生産終了の危機から、これほど進化して復活するとは驚き以外のなにものでもないだろう。

パワートレーンは従来型と変わらないが、大幅な進化を果しての復活

ラインナップは通常モデルに加えて、特別仕様「Tスペック」、高性能仕様の「NISMO」まで実に8グレードを数えるのも凄い。たしかに規制に対応する変更もあって車両価格は上昇、史上最強仕様と言われる「NISMO スペシャルエディション」は2915万円ともはや3000万円級となるが、それ以上の価値のあると早くも市場の評価は高い。

専用カーボンセラミックブレーキなどを採用する「プレミアムエディション Tスペック」

プレミアムエディション Tスペック

NISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)などを特別装備する「NISMO スペシャルエディション」

史上最強仕様とも言われる「NISMO スペシャルエディション」は2915万円

予約注文は日産ハイパフォーマンスセンターで順次開始、発売は4月下旬(トラックエディション エンジニアード by NISMO、トラックエディション エンジニアード by NISMO Tスペック、NISMO、NISMO スペシャルエディション今夏)を予定している。生産台数は限られたものになるのは明らかで、早くも人気が高まっているようだ。

NISSAN GT-R ラインナップ

ピュアエディション ¥13,750,000
ブラックエディション¥15,350,500
プレミアムエディション¥14,840,100
プレミアムエディション Tスペック ¥18,960,700
トラックエディション エンジニアード by NISMO ¥17,650,600
トラックエディション エンジニアード by NISMO Tスペック ¥21,380,700
NISMO ¥28,650,600
NISMO スペシャルエディション ¥29,150,000

「NISSAN GT-R ピュアエディション」スペック

全長×全幅×全高 4,710×1,895×1,370mm
ホイールベース 2,780mm
車両重量 1,760kg
エンジン V6ツインターボ
総排気量 3,799cc
最高出力 419kW(570PS)/6,800rpm
最大トルク 673Nm(65.0kgf・m)/3,300〜5,800rpm
トランスミッション 6速DCT
駆動方式 4WD
メーカー希望小売価格 ¥ 13,750,000(税込)

文/近藤暁史 写真/日産自動車