イタリア・ミラノで世界初公開された「レクサスLBX」

【レクサスの新たな価値の挑戦】イタリア・ミラノでワールドデビュー!完全新開発「レクサスLBX」の全貌とは?の画像一覧

レクサスは新型「LBX」の世界初公開をイタリア・ミラノでのメディア向けイベントで行い、これまでの高級車の概念を変える、サイズのヒエラルキーを超えた新しい価値を世界に向けて発信した。「本物を知る人が素の自分に戻れるクラスレスコンパクトで新しいラグジュアリー」という。

レクサスLBXは、日本で今秋正式発表される。

専用開発が施されたTNGAプラットフォーム(GA-B)を採用

レクサスは1989年の創業以来、イノベーションの精神を貫き、新たな価値を提供することに挑戦し続けているが、今回世界デビューを果たしたブランニューモデル「LBX」は、「これまでの高級車の概念を変える、コンパクトサイズながらも、走りやデザインも上質であるサイズのヒエラルキーを超えたクルマをつくりたい」という、ブランドホルダーであるトヨタ 豊田章男会長の想いが詰まった特別な1台だという。

フロントフェイスは「ユニファイドスピンドル」を採用コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)には新型「LBX」専用の開発が施され、ボディ骨格の接合に短ピッチ打点技術や構造用接着剤を拡大採用して剛性を高めつつ、高減衰接着剤を適所に使うことで高周波域での振動レベルを低減。フロントサスタワー間をつなぐカウル構造も見直して着力点剛性を向上、またインパネ内部構造を徹底的に補強することでステアリングコラム剛性やインパネリインフォースメント剛性を高め、ステアリングで感じる余計な振動を低減しつつ、高い操舵応答性を実現した。

本物を知る人が素の自分に戻れるクラスレスコンパクトで新しいラグジュアリーの価値を提供

コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)にLBX専用開発が施されたルーフリインフォースメントを最適配置することでルーフパネルの薄板化、フードのアルミ化、ホットスタンプ材の採用で、軽量化とともに優れた剛性も確保している。

音や振動の発生源を抑制する源流対策も徹底している。エンジンマウントの最適配置による起動時のショックを低減をはじめ、エンジン本体へのバランスシャフトの採用により低回転時のフロア振動も抑制された。また、ルーフパネルのマスチックシーラーの一部に高減衰タイプを採用することで、重量のある制振材を使用することなく効率的に振動を抑える工夫も行われている。

ドアパネルとベルトモールの段差を最小化するなど、空力性能にも徹底的にこだわったボディワークでは、先端を低く構えたフード形状とシームレスグリルによりフロントまわりの風の流れの変動を抑制。ドアパネルとベルトモールの段差を最小化、スポイラーやリアコンビランプの形状の見直し、床下アンダーカバーに小さな空気の渦を作って流れを良くするディンプル形状など、空力性能にも徹底的にこだわり、静粛性や接地感の向上を図っている。

パワートレーンは、高効率な1.5L直列3気筒エンジン(M15A-FXE)と出力を向上した軽量モーター、高い電池出力のバイポーラ型ニッケル水素電池を組み合わせたハイブリッド。

ハイブリッドシステムは1.5L直列3気筒エンジンに軽量モーター、バイポーラ型ニッケル水素電池の組み合わせ加減速を最適化する緻密な駆動力制御を入れたのがポイントで、立ち上がりの電気による加速と中速域のエンジン回転、車速などをHEVシステム全体で高効率となるよう制御するとともに、登降板時には路面の勾配変化を読み取って加速および減速トルクのアシストを最適化する駆動力制御も行う。

なお、駆動方式はFFと4WDの2タイプを選択することができる。

大径タイヤを採用しながらも、最小回転半径5.2mを実現

クルマとの一体感、プレミアムに相応しい誂えにこだわった設計

インテリアは、プレミアムに相応しい誂えに徹底的にこだわり、気負うことなくリラックスしてクルマとの一体感を楽しめる室内空間を目指したという。

気負うことなくリラックスしてクルマとの一体感を楽しめることを目指した室内空間とくに「ドライバーとクルマとの一体感を重視。着座位置を下げることでドライバーを車両重心高に近づけ、それに合わせ、手首や肘の角度、肩からの距離などを実機で何度も検証し自然に力の入れやすいステアリング位置と角度を探った。

また、着座位置に合わせてペダル類の再検証が行われ、アクセルペダルは足首の動きと一体となるオルガンペダルを採用し高い操作性を確保したほか、ブレーキペダルはアクセルペダルからの自然な踏み替え操作にこだわった踏面角とし、フットレストはペダル操作時に力が入れやすい角度とされた。

ドライバーの視認性では、Aピラー形状やフードとのレイアウトにも徹底的にこだわることで前方下方視界を確保し、走行ラインの把握しやすさを追求、車両との一体感とライントレース性の向上が図られた。

シートはクッションに深吊り構造を採用。コーナリング中もドライバー姿勢の安定性を確保するシートはクッションに深吊り構造を採用。横から荷重がかかった時のクッションの座圧変化を低減し、コーナリング中のドライバー姿勢の優れた安定性を確保。シートバックは、背筋が伸びるような形状とされ、腰の支持圧を上げて支えることで、頭部の揺れの軽減と視線の安定化が図られている。

メーターには12.3インチの大型フル液晶を採用。居心地の良い室内を彩るアンビエントイルミネーションは64色が用意される。

メーターは12.3インチの大型フル液晶を採用

居心地の良い室内を彩るアンビエントイルミネーションは64色を用意

5つの世界観を表現する ラインナップ、オーダーメイドシステムも用意

グレード体系は5つの世界観を表現した仕様が設定される。具体的には、本革とウルトラスウェードRのコントラストで、シンプルで洗練されたモダンな空間が表現される「クール(COOL)」、セミアニリン本革による上質な質感にサドルタンカラーと手の込んだ刺繍をあしらい、車格を超えたプレミアムな空間を演出する「リラックス(RELAX)」、さりげないサテン縫いの刺繍で、クリーンかつ温かみを感じさせる次世代モダンの「エレガント(ELEGANT)」、ブラック合皮に高彩度レッドの刺繍とステッチをあしらい、スポーティな空間とした「アクティブ(ACTIVE)」、ブラックを基調にダークグレーのファブリックをコーディネートした、スタイリッシュな「アーバン(URBAN)」がラインナップされる。

グレード体系は、シンプルで洗練されたモダンな空間が表現される「クール」など、5つの世界観を表現した仕様を設定また、このほかに、「ビスポーク ビルド(Bespoke Build)」と呼ばれるオーダーメイドシステムも用意。これはユーザー好みの世界にたった1台のクルマを手に入れることができるというもので、そのバリエーションは33万通りにもなる。

「ビスポーク ビルド」と呼ばれるオーダーメイドシステムも用意なお、ボディカラーは、「ソニッククロム」や「ソニックカッパー」等、プレミアム質感と、鮮やかな有彩色でカジュアルさを併せ持つ、全9色をラインナップ。さらに、2トーンカラーの設定も用意される。

ボディカラーは全9色をラインナップ。2トーンカラーの設定も用意される

先進の予防安全機能を持つ「Lexus Safety System +」を装備

モビリティ全体の安全のために、世界トップレベルの先進安全技術をより早く開発し、より多くのクルマに普及させていくことが重要という考えのもと、新型LBXでは最新の「Lexus Safety System +」を装備している。

運転の状況に応じたリスクの先読みを行い、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようステアリング/ブレーキ操作をサポートなどを行う「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」や、ドライバーの脇見運転等をシステムが検知した場合、早いタイミングでドライバーへ警告し、衝突回避や被害軽減をサポートする「プリクラッシュセーフティ(PCS)」をはじめとする、多数の高度予防安全機能を装備する。

また、購入後も最新のソフトウエアに更新できるOTAアップデート機能を搭載、クルマに新たな機能が追加されるとともに性能が向上することで、最新の運転支援技術を備えたより安全なクルマに進化していくという。

LBXとは「Lexus Breakthrough X-over(レクサス ブレークスルー クロスオーバー)」の略。レクサスが提案する新しい「コンパクトラグジュアリー」に世界が注目している。

LBXとは「Lexus Breakthrough X-over(レクサス ブレークスルー クロスオーバー)」の略

レクサスLBX(プロトタイプ)スペック

全長×全幅×全高 4,190×1,825×1,560mm
ホイールベース 2,580mm
エンジン 直列3気筒DOHC横置+モーター
総排気量 1,490cc
トランスミッション 無段変速
駆動方式 フロント横置きFF/4WD
サスペンション前 ストラット
サスペンション後(FF) トーションビーム
サスペンション後(4WD) トレーリングアーム式2リンクダブルウイッシュボーン
タイヤサイズ 235/60R18、225/55R18

文/近藤暁史 写真提供/レクサス