リアのサスペンション形式は時代が進むに連れリーフリジッド式からコイルスプリングを利用したリジッド式になっていく。コイルはリーフにくらべるとしなやかだが、サスペンションを構成するにはちょっとやっかいな?面もある。それをリンクで解決したのが5リンクリジッド式だ。

コイルスプリングを使って、リンクで位置決めをする5リンクリジッド式

FRの後輪に採用されるリジッド式サスペンションに5リンクリジッド式がある。これはコイルスプリングを用いたサスペンション形式となる。ではなぜ5つのリンクが必要かというと、FR車が加速するとき、そのデフに後ろへ反り返ろうという力が発生するからだ。もしコイルスプリングだけだったとすると、この力を抑えられないこと、そして横方向の位置決めができないからだ。

リーフリジッド式では、デフを含むホーシング(ハウジング)が回転しようとしてもリーフスプリングの反力でそれを抑えることができ、左右もリーフスプリングに固定されているので剛性を確保できる。しかしコイルスプリングでは、回転方向の規制も横方向の規制もできないので複数のリンクを使用してそれに対応する。もう少し詳しく説明しよう。

デフ本体の回転を抑えるためには、ホーシングを上下から支えるリンクが4つ必要になる。これがアッパーコントロールリンクとロワコントロールリンクに当たる。まだ、これだと左右の位置決めができない。そこでラテラルロッドと呼ばれるホーシングとボディを横方向に支えるリンクを1本使う。これで5リンクとなる。

ちなみに、ラテラルロッド付き4リンクという呼び方も使うが、基本的には同じサスペンション形式となる。また、輸入車の場合、独立懸架であるダブルウイッシュボーン式を4リンク、マルチリンク式を5リンクなどと呼称する場合もあり、ちょっと注意が必要なところだ。

5リンクリジッド式の構造はリーフリジッド式に比べて複雑になるが、コイルスプリングを使用することで乗り心地を良くできるメリットを持つ。この方式を採用して、1970年に登場したトヨタ カリーナは「足のいいやつ」のコピーで売り出された。その後も、リアの代表的なサスペンション形式として使用され、名車といわれるAE86レビン・トレノもグループAレースからドリフト走行までこのサスペンション形式を使ったのだ。

もちろん、独立式サスペンションに比べると左右のアクスルを剛結されていることや、バネ下重量の増加などデメリットがあるものの、現代的なサスペンション形式のひとつと言えるだろう。(文:Webモーターマガジン編集部 飯嶋洋治)