フォルクスワーゲンは、マイナーチェンジしたトゥアレグの改良型を2023年5月24日に本国で発表した。フロントとリアのデザインをシャープなものにしたほか、サスペンションを改良して快適性を向上。また、ディスプレイや操作系を見直すなど、広範囲な改良が施されている。

内外装の質感を向上したほか使い勝手も進化

今回のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインのリファインが行なわれている。

フロントでは、ラジエターグリル、ヘッドライト、フロントエプロンで構成されるユニットのデザインを一新。リアエンドのデザインもよりシャープなものとしている。

また、テールライトクラスターには連続した水平方向の LED ストリップが備えられ、ドイツのフォルクスワーゲンモデルで初めて赤色に点灯するフォルクスワーゲンのロゴを採用している。この照明付きのブランドロゴは、中国や米国などの市場でのみ許可されていたものだ。

改良型のトゥアレグには、イノビジョンコクピット(Innovision Cockpit)も標準装備される。これは、デジタルコクピットとハイエンドインフォテインメントシステム「ディスカバープロマックス(Discover Pro Max)で構成されている。

今回の改良により、ナビゲーションの高解像度地図データや音声コントロールなど、イノビジョンコクピットのさまざまな機能が最適化されている。

また、45 ワット(以前は15ワット) の充電容量を持つ USB-C 接続により、スマートフォン、タブレット、ラップトップなどの電子デバイスを高速充電することができるようになった。

また、ユーザーの声を反映し、インテリアの質感のさらなる向上を実現しました。たとえば、センターコンソールのトリムは従来型よりも柔らかくなり、快適さがさらに向上している。

サスペンションを改良して快適性を向上

サスペンションの改良も今回のマイナーチェンジでは大きなトピックとなる。

とりわけトゥアレグには、サスペンションの電子機器と密接に統合された新しいルーフ荷重センサーが標準装備されている。

ルーフ荷重を検知すると、ESC(エレクトロニックスタビリティコントロール)などの制御システムが早期に介入し、走行安定性を高めるようにサスペンションを制御する。

一方、ルーフに荷重がかかっていない場合、このシステムはスポーティなパフォーマンスを可能にしするべくサスペンションを制御する。

トゥアレグには、バージョンに応じてロールをアクティブに制御したり後輪操舵などの革新的なテクノロジーが採用しており、これによりドライビングダイナミクスを向上している。

改良型トゥアレグには、数多くの便利な運転支援システムが標準装備されており、さらにオプションシステムも豊富に取り揃えている。これらには次のようなテクノロジーが含まれている。

・「トラベルアシスト」(最高速度までの運転支援)
・「パークアシスト+リモコン付き」(駐車スペースへの自動入出庫アプリにより、ドライバーが車外から駐車操作を制御することが可能)、
・「トレーラーアシスト」(トレーラーによる操縦支援用)
・「ナイトビジョン」(夜間ドライブ支援)

ハイパフォーマンスモデル「トゥアレグR eハイブリッド」は462psを発生

トゥアレグR eハイブリッドは、最も強力な駆動システムを備えた最上位モデルとなる。最新モデルは、ハイテク機能とカスタマイズされた装備を備えたトゥアレグRの伝統を継承している。

パワートレインは3L V6ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載し、システム出力340kW(462ps)を発生する。

エクステリアでは、サイドミラーのハウジングを介してRロゴの照明投影を可能としたほか、Rロゴを入れたブルー塗装のブレーキキャリパーを装着している。

また、20インチアルミホイール「ブラガ」を装備し、足もとをより精悍に演出している。

ボディカラーでは、従来のRカラーであるラピスブルーメタリックに加え、マット塗装仕上げの新色となるシリコングレーマットをトゥアレグR eハイブリッドおよびトゥアレグRライン専用に新設定している。

インテリアでは、シートのステッチやステアリングコラムにブルーのアクセントを施したほか、Rロゴ入りのシルパネルモードイルミネーションにもブルーを採用している。

ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドなど、幅広いパワートレインをラインナップ

改良型のトゥアレグは、ターボチャージャー付きガソリンエンジンに加えて、2つのディーゼルターボエンジンと2つのプラグインハイブリッドという5つのパワートレインを設定する。

すべての高効率エンジンには、8 速ATと4モーション(MOTION・4輪駆動) が標準装備されている。

本国でのグレード構成は、従来型のフロントデザインを採用したベーシックバージョン(6万9200ユーロ〜:1ユーロ149円換算で約1031万円)と、2つの専用ライン「エレガンス」(7万5070ユーロ〜:同約1119万円)と「Rライン」(7万9660ユーロ〜:同約1187万円)、さらに最上位モデルの「トゥアレグ R eHybrid 」(9万3870ユーロ〜:同約1399万円)となる。