12人の映像監督による12本の短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』。このたび、本格始動した同プロジェクトの一般公募から選ばれた3名の監督が発表された。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めるようにとの意図で立ち上げられた本プロジェクト。“DIVOC”はCOVIDを反対に並べた言葉で、「12人のクリエイターとともに、COVID-19をひっくり返したい」という想いが込められている。それぞれの文字が意味するDiversity(多様性)、Innovation(革新)、Value(新しい価値)、Originality(個性)、Creativity(創造)を軸にプロジェクトが進められ、作品は2021年内に公開予定となっている。

映画制作では『ヤクザと家族 The Family』(1月29日公開)の藤井道人監督、『カメラを止めるな!』(17)の上田慎一郎監督、『Red』(20)の三島有紀子監督ら実力派が中核となって牽引。“成長への気づき”がテーマの藤井監督チームに志自岐希生監督と林田浩川監督、“感触”がテーマの上田監督チームにふくだみゆき監督、中元雄監督、 “共有”がテーマの三島監督チームに山嵜晋平監督、齋藤栄美監督が参加することは発表済みだ。

今回の3名が解禁されたことで12名すべての監督名が出そろった。新たに加わった廣賢一郎監督(藤井チーム)、エバンズ未夜子監督(上田チーム)、加藤拓人監督(三島チーム) が意気込みをコメントしているほか、藤井監督らもその選出理由についてそれぞれ語っている。

本作に集結した個性豊かな12人の監督は、エンターテイメントを届けるという “想い”をどのような映像に仕上げるのか? その閃きに期待しよう。

<スタッフコメント>

●廣賢一郎(監督/藤井チーム)

「このような機会を頂けたことに感謝をしています。こんな混迷な時代だからこそ、私はただ自分に出来る事を精一杯続けようと思います。今回、田村隆一『帰途』という詩から着想を得た物語を紡ぐ予定です。頑張ります!」

●藤井道人(監督)

「廣監督が持つ表現への眼差しにとても好感が持てました。今生きている社会への疑問や、愛についての考察に無二の個性を感じました。これから一緒に映画を作れることが今からとても楽しみです」

●エバンズ未夜子(監督/上田チーム)

「この度『感触』というテーマでこの企画に参加させて頂きます。対面での関わりが制限された中、人と触れ合いぬくもりを感じる機会が減りました。しかし、私たちは様々な媒体を通して互いに心で触れ合うことができます。その 1 つが映画だと思います。変わりゆく時代に動揺する私たちの、閉ざしてしまった心を換気する様な映画をお届けしたいです」

●上田慎一郎(監督)

「どんな映画になるのか想像がつかない。それが彼女を選んだ一番の理由でした。先日、19歳の彼女が『昭和ってエモいじゃないですか』と言っていました。わかるようで、わかりませんでした。僕らには理解しきれない新しい価値観や世界観。それが映画となって沢山の人を揺さぶるのが楽しみでなりません」

●加藤拓人(監督/三島チーム)

「まるでフィクションのような現実の中、かつて映画に救われた瞬間があった事を忘れていた気がします。いま作られるべき映画とは何か、そして共有できる事は何か。この機会を与えてくれた全ての人に感謝し、その答えを見つけていきたいと思います」

●三島有紀子(監督)

「脚本から『隔離』と『安心』というテーマが浮かび上がり、加藤さんがコロナ禍の社会をどう見ているのかという視点が明確でした。メタファーとして架空の世界を描いた物語が面白く、この作品を観たいと思いました。何より監督するために生きていること、そして制作期間の他の仕事を断って『空けています』と言った彼の覚悟が見えたことも大きいです」

文/足立美由紀