ヤマシタトモコの人気コミックを実写映画化した『さんかく窓の外側は夜』が1月22日(金)から公開される。MOVIE WALKER PRESSでは、本作で初共演した岡⽥将⽣、志尊淳、平⼿友梨奈を直撃。“心霊探偵”という異色バディ役でW主演を務めた岡田と志尊に、ヒロインを演じた平手。公開前からその仲の良さが注目されている3人だが、それぞれが一筋縄ではいかない難役に挑んだ分、舞台裏では、まるで兄妹さながらの絆を築けたようだ。

岡田は霊が祓える除霊師、冷川理人役を、志尊は霊が視える男、三角康介役を演じており、2人がバディを組んで、頻発する怪奇事件に挑むさまが描かれる。除霊を扱うミステリーでありながら、SNSなどを通した人間の闇にも切り込んでいく本作で、平手は呪いを操る少女、非浦英莉可役に扮した。メガホンをとったのは、『おじいちゃん、死んじゃったって。』(17)の森ガキ侑大監督だ。

――今回、初共演した感想を聞かせてください。

岡田「淳くんとのバディものだと聞いた時から、早く仲良くなって信頼関係を築きたいとお互いに思っていたので、クランクインしてすぐに意気投合できました。平手ちゃんはすごく人見知りで、最初は捨てられた子犬みたいに現場に座っていたんです(笑)。そこから森ガキ監督が僕らとつなげてくれて、少しずつお話をしてくれるようになっていきました。

その後、現場での平手ちゃんは、いつもそばにいるような近い距離感になりました。いまもそうですが、久しぶりに会っても、こうやって冗談を言えるようなすごく心地良い関係性です」

志尊「本当にそうでした。まーくん(岡田)とは撮影中、芝居の話は一切してなくて、それぞれが役を理解し合い、お互いを尊重しながら演じていけた感じです。一方でまーくんは、役者の先輩として、僕のいろいろな相談にものってくれました。

てち(平手)とも、すぐに仲良くなれました。僕たちの想いに応えてくれたというと失礼に当たるかもしれないけど、一方的じゃなくて、てちのほうから徐々に心を開いてくれた感じです。最終的には、てちがムードメーカーとして現場の空気を作ってくれるようになりました」

――平手さんはいかがでしたか?

平手「私は役柄的に1人でいるシーンも多かったのですが、監督から『もっとたくさん話してほしい』と言われたので、滝藤(賢一)さん含め、岡田さんたち3人でお話をされているなかに、私が入れていただいた感じでした」

岡田「それ、撮影が始まったころだよね。当初は、役柄的にこっちから話しかけないほうがいいのかなと思っていて」

志尊「僕は、初めててちに会った時に印象的だったのが、『よろしくお願いします』『お先に失礼します』とか、すごく丁寧な挨拶をしてくれたこと。また、初日の撮影で、てちだけがすごく待ち時間が長くなってしまった時に『いっぱい待たせてごめんね』と言ったら『いえいえ。とんでもないです』と心から恐縮してくれたんです。その時に、僕ももっと積極的にコミュニケーションを取りにいこうと思いました」

岡田「それ、僕もよく覚えてる」

■「淳くんは熱い心を持っている人。平手ちゃんは3人でいると、違った顔を見せてくれる」(岡田)

――時折、あだ名も飛び交いますが、それも3人で決めあったのですか?

志尊「そうです。最初に、まーくん、淳くん、てちなど、いろいろです」

――共演後に感じた、それまでの印象とのギャップや、新たな発見などを教えてください。

岡田「淳くんは心に熱いものを持っている人で、作品への愛や役の貫き方については思っていたとおりでした。平手ちゃんは、無口な印象がありましたが、距離が近くなると、わりとしゃべってくれるんだなと。ただ、こうやってほかの人たち(インタビュアー)がいると人見知りをしてしまって、僕たち3人だけだと、みなさんには見せない顔を見せてくれるので、そこを少しでもお届けできるといいんですが(苦笑)」

志尊「確かに、3人でいると一番よくしゃべる。」

岡田「いわゆる10代のみなさんと変わらないです。でも、共演するまで、そういうイメージはまったくなかったので、そこはすごく意外でした」

――平手さんは、岡田さんたちと共演した際にギャップなどは感じましたか?

平手「私にとっての2人は、自分と関わることがないと思っていた遠い存在の方々でした。だから、岡田さんや志尊くんについての情報をあまり知らないまま現場に入ったので、そもそもギャップというものを感じることはなかったです」

■「まーくんは、内側に強い意志を持っている。てちは、すごく健気で優しい子」(志尊)

――志尊さんはいかがでしょうか。

志尊「まーくんは、ずっと主演を務めてきて、もっと楽観的なタイプなのかと思っていたら、内側に強い意志や熱量を持っているタイプでした。でも、それをむやみやたらには出さず、ここぞという時ににじみでる瞬間がとてもすてきだなと思いました。

てちは、すごく健気で優しい子です。常に人のことを気にかけていて、共演者たちに気遣いができる人。実は一番、家庭的というか生活感があります。女子高生だけど、ちょっとお母さんっぽい立ち位置にもいる不思議な人でした」

「見えないもので怖いのは、大きな音です」(平手)

――本作では、幽霊より恐ろしい人間の闇が描かれています。SNSでの誹謗中傷なども問題視されてきていますが、みなさんは恐ろしさを感じた経験がありますか?

岡田「特にコロナ禍では、そういうことがすごく目立った気がします。ネット上だからといって、辛辣な言葉を浴びせるのは違うんじゃないかということを、この映画で少しでも提示できたらいいなあと。ちなみに、僕自身がこの仕事をしていて、一番怖いと思うのは、クランクインの前日です」

――それはなぜですか?

岡田「やはりお芝居することそのものの怖さと、今回のように主役をやらせてもらう場合は、作品を背負わなければいけない怖さを感じます。僕はいまの仕事を10年以上やっていますが、新作に入る前日の夜は、まともに寝られたことがないです」

志尊「確かにプレッシャーはすごいよね」

岡田「そう。でも、その怖さに慣れちゃいけないという自分もいる」

志尊「僕が、見えないもので怖いと感じるのは、“イメージ”です。イメージってそれぞれがコントロールして作れてしまうものでしょ。例えば、テレビで観る僕と、実際に会った僕とは違うと思うんです。でも、イメージどおりじゃなければ悪者扱いされるような気がしていて。ただ、僕自身も、昔は気にしていましたが、いまはイメージと違うと思われてもいいやというスタンスになりました」

平手「私も人間が怖いと思うことはたくさんあります。でも、見えないもので怖いのは、大きな音です」

岡田「じゃあ、舞台挨拶とかで大きい音を出しちゃおうか」

平手「いやいや、やめてください(笑)」

志尊「アハハ」

取材・文/山崎伸子