サーチライト・ピクチャーズが2021年の公開スケジュールを発表し、『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)で第74回ヴェネチア国際映画祭や第90回アカデミー賞作品賞など数多くの映画賞に輝いたギレルモ・デル・トロ監督の最新作『Nightmare Alley』が、12月3日に全米公開されることが決定。「Indiewire」など全米の複数メディアが報じている。

『悪魔の往く町』(47)の邦題で映画化されたこともあるウィリアム・リンゼイ・グレシャムの同名小説を原作にした本作は、ブラッドリー・クーパー演じる他人の心を操る力を持つ男スタントンが、ケイト・ブランシェット演じる精神科医の術中にはまっていく姿を描いたスリラー映画。
当初は2020年の公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で撮影が中断し、公開延期が発表。昨年9月に撮影が再開され、12月に撮影が終了したと報じられていた。

共演には『ヘレディタリー/継承』(18)での怪演で話題を集めたトニ・コレットをはじめ、ウィレム・デフォーやリチャード・ジェンキンス、「ヘルボーイ」シリーズのロン・パールマンに、『ノマドランド』(3月26日公開)が控えるデヴィッド・ストラザーン、そしてルーニー・マーラら豪華俳優陣が名を連ねている。
『シェイプ・オブ・ウォーター』もヴェネチア国際映画祭でのプレミア上映の後、12月の第1週に全米公開されアカデミー賞レースを駆け抜けており、本作も秋に行われるいずれかの国際映画祭でお披露目され、第94回アカデミー賞への参戦を目指すと見られている。

今回の発表では、ほかにもジェシカ・チャステインとアンドリュー・ガーフィールドが共演する『The Eyes of Tammy Faye』が9月24日(金)から、スコット・クーパー監督がメガホンをとり、デル・トロがプロデュースを務める『Antlers』が10月29日(金)に全米公開されることが明らかに。いずれも『Nightmare Alley』同様、賞レースへの参戦が噂されている。
なお、昨年のカンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出され、今年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映されると噂されていたウェス・アンダーソン監督の『The French Dispatch』については、新たな公開日の発表がされなかった。

いずれの作品も大きな話題を集めること間違いなしなだけに、続報に注目していきたい。

文/久保田 和馬