現在開催中の「妖怪・特撮映画祭」で4K修復版が上映されている「妖怪三部作」と、2005年に興行収入20億円の大ヒットを記録した『妖怪大戦争』(05)。昭和・平成を駆け抜けてきた妖怪映画が令和の時代にスケールアップする『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(8月13日公開)は、特殊メイクで妖怪に大変身した豪華キャストの共演や、55年ぶりに蘇る“大魔神”など見どころが満載。そんな本作で特に注目してほしいのは、2人の天才子役が見せる息の合った演技だ。

世界を救う勇者に選ばれた気弱な少年が、個性豊かな妖怪たちと大冒険を繰り広げていく本作。日本列島を南北に縦断するフォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”によって、世界は未曾有の危機に瀕する。そこで伝説の武神“大魔神”を復活させ妖怪獣に対抗させる策を思い付いた妖怪たちは、伝説の妖怪ハンター・渡辺綱の末裔であり、大魔神を復活させる力を持つ“破風なき家の子”である渡辺ケイに白羽の矢を立てることに。

前作『妖怪大戦争』で主演を務めた神木隆之介から主役のバトンを受け取り、“破風なき家の子”であるケイ役を演じたのは寺田心。13歳にして芸歴10年の寺田は、主演映画『ばあばは、だいじょうぶ』(19)でミラノ国際映画祭2018の外国映画部門・最優秀主演男優賞を受賞するなどの実力派。弟のダイの前では強がる気弱で臆病な少年だったケイは、思いがけず騒動に巻き込まれてしまったダイを助けるために自ら妖怪の世界に足を踏み入れる。そして冒険や出会いを通して“勇者”として成長していくのだ。

一方、兄のケイが大好きで無邪気&度胸満点の弟・ダイ役を演じるのはこれが映画デビュー作となる猪股怜生。寺田との相性の良さを見込まれて大抜擢された猪股は、撮影初日には妖怪キャストの特殊メイクを見て怖がるなど初々しいリアクションを見せていたが、三池監督から「自分が話している時は気持ちを入れる。人が話している時は気を抜かない」というアドバイスをもらって演技に挑んだとか。また剣を使ったアクションシーンについても「おもしろいです!剣が好きです!」と語るなど、ダイと同じように怖いもの知らずでそのポテンシャルを発揮したようだ。

たしかな演技力と表現力を持ち合わせ堂々たる座長ぶりを見せる寺田と、妖怪たちもたじろぐほどの無垢さで観客の視線を釘付けにする注目子役の猪股。“宿命の兄弟”を演じた2人が見せる、本物の兄弟と見間違うほど息の合った掛け合いと心揺さぶる絆。2人が劇中でどんな活躍を見せているのか、是非とも注目してほしい。

文/久保田 和馬

※記事初出時、人名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。