先週末(9月17日から19日)の北米興収ランキングはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(日本公開中)が3週連続ナンバーワンを獲得。北米の映画興行に回復の兆しが見え始めた今年の春以降では、『ラーヤと龍の王国』と『ゴジラvsコング』以来3本目のV3を達成し、北米累計興収は週末の時点で1億7600万ドルを突破。2021年公開作の第2位へと上り詰め、数日中に首位に立つ公算が大きくなった。

『シャン・チー』の公開3週目の週末成績は前週比37.6%ダウンの2167万ドルで、2位に4倍以上の差をつける一人勝ちムード。その2位の『フリー・ガイ』(日本公開中)もすでに北米累計興収1億ドルを突破する絶好調を維持しており、45日間の“シアトリカル・ウィンドウ”を設けたディズニー配給の両作品がそろって大成功。それを受けてディズニーは先日、ついに劇場と動画配信サービス「ディズニープラス」での同時公開の取りやめを正式に発表するに至った。

それにより、リドリー・スコット監督の『最後の決闘裁判』(10月15日日本公開)やクロエ・ジャオ監督のMCU作品『エターナルズ』(11月5日日本公開)、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』(12月10日日本公開)など年内に公開を控えるディズニー配給作品は、45日間の劇場独占で公開となる(『ミラベルと魔法だらけの家』のみ30日間)。また、ワーナーも来年以降の公開作品について45日間の“シアトリカル・ウィンドウ”を設けることをすでに表明しており、ようやくコロナ禍の映画興行の新たな軸となる部分が確立されたことになる。

そんなワーナーの看板監督の一人であるクリント・イーストウッドの主演・監督最新作『クライ・マッチョ』(2022年1月14日日本公開)は、3967館で封切られ3日間で442万ドルを売り上げ初登場3位にランクイン。2502館で470万ドルのオープニング興収だった前作『リチャード・ジュエル』(19)と単純比較すると、HBO Maxでの同時公開がそれほど大きな影響を与えていないようにも感じてしまうが、イーストウッド自ら主演、監督デビュー50周年という節目のタイトルとしてはかなり寂しい出足といえよう。

ほかに初登場作品では、ジェシカ・チャスティンの演技が大きな注目を集めているサーチライト・ピクチャーズ作品『タミー・フェイの瞳』が10位に、「トワイライト」シリーズのジャスティン・チョンが監督・脚本・主演を務めた『Blue Bayou』が13位にランクイン。どちらも賞レースに絡むことが期待されているだけに、今後注視しておきたいタイトルだ。

そして北米外では、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE/デューン 砂の惑星』(10月15日日本公開)が24の国と地域で公開。「Variety」の報道によれば、そのほとんどで興収ランキングの1位を獲得する大旋風を巻き起こしており、すでに海外興収は3790万ドルに到達。北米と中国では10月22日(金)から公開されるため、そこでどれだけの興収を叩きだすのか大いに注目が集まる。

文/久保田 和馬