青山真治監督や中村義洋監督、月川翔監督ら多くの映画人を輩出してきた日本最大規模の学生映画祭、“東学祭”こと「第33回東京学生映画祭」が8月20日(土)と8月21日(日)に東京・渋谷にあるユーロライブにて開催される。学生のみで企画と運営で30年続けてきた本映画祭、今年は「宇宙でいちばん純粋。」というコンセプトを挙げている。本記事では、上映作品を紹介しながら見どころをチェックしていこう。

■日本を代表する映画人がゲスト審査員に!厳選された12作品を上映

2日間の会期中、5つのプログラムに分けて上映されるのは、応募総数204作品のなかから厳選された個性あふれる12作品。<実写長編部門>と<アニメーション部門>、<実写短編部門>の3部門それぞれの入選作品4作品が上映され、そのなかからゲスト審査員による審査を経て受賞作品が決定。また観客の投票によって選出される観客賞も用意されており、それらは8月21日19時30分より行われる授賞式で発表される。

<実写長編部門>と<実写短編部門>のゲスト審査員を務めるのは、俳優や監督・プロデューサーとして国内外で活躍する杉野希妃。これまで多くの映画賞に輝いており、最新作の『ラーゲリより愛を込めて』(12月9日公開)も控えている瀬々敬久監督。そして、脚本家で映画監督でもある三宅隆太の3名。

<アニメーション部門>では、ロングランヒットを記録した長編アニメ『音楽』(19)の岩井澤健治監督と、『未来のミライ』(18)で第91回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされるなど、日本のアニメ界を牽引する細田守監督の2名。ゲスト審査員は各部門の審査に加え、各作品の上映後に学生監督とトークセッションも行なう予定となっている。

■学生監督たちが描きだす、若者たちの“いま”に注目!

<実写長編部門>に入選した4作品は、いずれも若者を主人公にした人間模様が描かれた作品。一緒に暮らす祖母のタンスからウエディングベールを見つけたことをきっかけに世界が広がっていく中学生の少女を描いた『カンパニュラの少女』。少年時代を共に過ごした友人を探しに故郷へ戻る青年を描いた『ただいま』。隠しごとや嘘を文字として浮かび上がらせる力を持つ高校生と、嘘をついたことのない少女の交流を描く『えんまさん』。そして夏の終わりの一夜を過ごす若者たちを描く青春群像劇『明ける夜に』。

また<アニメーション部門>にも、家族の死と向き合えない少年を描く『川凪ぐ火葬場』が選出され、<実写短編部門>にも飼いネコを亡くした10歳の少女の不思議な体験を描く『COMPASS』、3人の高校生を描いた『C地点旅行記』と、学生監督たちと世代が近い若者や少年少女たちを描く作品が全体の半数以上を占めている。

大人になると忘れてしまいがちな、あの頃の感覚が等身大のまま映画として記録されているというのも学生映画の魅力の一つ。学生らしい自由な感性で描かれる心の機微を、作品の持つエネルギーと共に感じてほしい。

8月21日の11時(10時30分より開場・受付開始)からは、特別招待作品として<アニメーション部門>のゲスト審査員である細田監督の代表作『時をかける少女』(06)の上映も行われる。上映後には細田監督のトークショーも予定されているので、ここでしか聞けない貴重なトークが聞けそうだ。

この記事で興味をもった方は、ぜひ“東学祭”に足を運び、将来の日本映画界を担うであろう才能を先取りしてみてほしい!

文/久保田 和馬