俳優の中村倫也が5月20日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された主演映画『宇宙人のあいつ』の公開記念舞台挨拶に伊藤沙莉、日村勇紀(バナナマン)、柄本時生、飯塚健監督と共に登壇。家族を演じたキャスト陣が劇中で着用したお揃いのTシャツに身を包み、にぎやかなやり取りを繰り広げた。

本作は、23年間も真田家の四兄妹の次男、日出男として家族になりすましてきた宇宙人(中村)が、地球を離れるまでの残された3日間のなかで、人間としてやり残したことに奮闘する物語。しっかり者の長女を伊藤、真田家の親代わりの長男を日村、頼りない三男を柄本が演じている。「ヤキニクサナダ」Tシャツを着て登場したキャスト陣。中村は「日村さん、一番似合いますね!」と楽しそうな笑顔を見せていた。

舞台挨拶冒頭から伊藤は思わずにやけてしまい、柄本から「なんで笑ったの?」とツッコまれた。伊藤が「楽しくて」と明かすと、中村が「沙莉はいつも楽しそうだね」と語りみんなで大笑いするなど、ステージは和気あいあいとした雰囲気たっぷり。

真田家のみんなで会議をするシーンも「楽しかった」と語った中村は、「台本で言うと4、5ページくらいあって。会話で転がせるので、ああいう長いシーンが好きなんです。やっていてもみんなが持ち寄っているグルーブ、音色が混ざっている感じが、やりがいのあるシーンでした」と充実感をにじませていた。

劇中のシーンを再現しながら、撮影の思い出を振り返るひと幕も。日村演じる夢二が空手をするシーンに話が及ぶと、日村は「大変でしたね。動けないしやったこともないですし。回し蹴りとか、身体も硬いから(足も)上がらないし。倫也くんが『腰をこう入れたらいいんですよ』というのを事前に教えてくれた」と中村がアドバイスをくれたという。「僕、なんて言いましたっけ?」と中村が話を向けると、日村がドタバタと回し蹴りを実演し、会場も大爆笑。中村は「違います。忘れん坊」とツッコミつつ華麗な回し蹴りと着地を披露し、日村と伊藤は「カッコいい!」と歓喜。観客からも大きな拍手があがっていた。

中村は「この作品は、なんかいいな、なんか楽しいなと思っていただけるようなものになっているんじゃないかと思う」と完成作への想いを口にし、「5月病なんて言葉もありますが、ちょっと一休みしたい時に気楽に来ていただけたら、いい休日になるんじゃないかなと勝手に思っています」とニッコリ。

さらに「映画の舞台挨拶といえば、なぞかけかなと思いまして。渾身のやつを」と切りだし、「『宇宙人のあいつ』とかけまして、『引越しの時に内見に行きたい人』と解きます。その心は、どちらも何度も見たくなるでしょう!」と声を大にして会場から拍手を浴びた。日村は「それ、昔、俺が言ったんだよ。すごいスベったやつ!なんで倫也くんが言ったら拍手になるのよ!」と自身とはまったく違うリアクションをもらった中村に嫉妬して、周囲を笑わせていた。

取材・文/成田おり枝