先週末(5月12日から14日)の北米興収ランキングは、前週に1億ドル超のオープニング成績で首位デビューを飾った『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(日本公開中)が、2週連続Vを達成。北米累計興収は公開10日目に2億ドルを突破し、はやくもMCUの前作『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(23)を上回っている。

注目はオープニング週末と2週目末それぞれの3日間の興収の差。近年のMCU作品は、ネタバレ回避のためか初週末に観客が集中し、2週目で一気に興収が下落する傾向がある。とりわけコロナ禍以降は、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)が2週目末にオープニング週末の46%の興収を維持した以外は、ほとんどが40%を下回り、おおむね3分の1程度の興収に落ち着くことが多い。

しかしながら『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の2週目末の興収は6200万ドルと、オープニング週末と比較すると52.4%。2週目末に半分以上の興収を守り抜いたのは、メガヒットを記録した『ブラックパンサー』(18)以来となる。また、シリーズ前作、前々作はどちらもオープニング週末比45%弱だったことを踏まえれば、その持続力は近年のMCU作品のなかでも随一といえよう。

サマーシーズンの超ビッグタイトルの公開を目前にしたこの週末は、中規模作品の公開ラッシュ。そのなかで最上位の3位にランクインしたのは、ダイアン・キートンとジェーン・フォンダが共演した『また、あなたとブッククラブで』(18)の続編『Book Club: The Next Chapter』。前作は製作費1000万ドルで、全世界興収1億ドルを超える成功を収めたが、今作のオープニング興収は前作のおよそ半分。製作費は2000万ドルに倍増しており、少々厳しい戦いを強いられそうな予感が立ち込める。

また、6位にはロバート・ロドリゲス監督とベン・アフレックがタッグを組んだアクションスリラー『Hypnotic』が初登場。2000館以上で公開されながらオープニング興収240万ドルという鈍い出足に加え、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合は36%。そして588館で公開された『聖闘士星矢 The Beginning』(日本公開中)は12位スタートで、こちらも辛辣な評価が目立つ結果となった。

ちなみに、5月19日に日米同日公開を迎えた『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(日本公開中)は、木曜日のプレビュー上映の段階で750万ドルの興収を記録。これは前作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(21)の710万ドルを上回り、前々作の『ワイルド・スピード ICE BREAK』(18)の1040万ドルを下回る数字。「Variety」の報道によれば、オープニング週末の北米興収は6000万ドルと予測され、初週末の全世界興収の目標値は2億2000万ドル以上。はたしてどんな結果が出るのか、大いに注目が集まるところだ。

文/久保田 和馬