2018年、第13回小説現代長編新人賞を受賞した女性作家、神津凛子のデビュー作を映画化する『スイート・マイホーム』が9月1日(金)に公開される。このたび、本作の主題歌にyamaの楽曲が決定した。

来月開催される第25回上海国際映画祭に正式出品されることが決定している本作。メガホンをとるのは、俳優業の傍らで20代から映像製作に携わり、初長編監督作『blank13』(17)では国内外の映画祭で8冠を獲得、『フードフロア:Life in a Box』(20)では、AACA2020(アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード)にて、日本人初の最優秀監督賞を受賞するなど精力的に活動中の齊藤工。窪田正孝が主人公の清沢賢二、蓮佛美沙子が清沢の妻、ひとみを演じるほか、奈緒、窪塚洋介らが共演する。極寒の地、⻑野県に住むスポーツインストラクターの清沢は、愛する妻と幼い娘たちのために念願の一軒家を購入。“まほうの家”と謳われたその住宅の地下には、巨大な暖房設備があり、家全体を温めてくれるというが、その温かい幸せは、ある不可解な出来事をきっかけに身の毛も立つ恐怖へと転じていく。

このたび、今年だけでも、ジェニーハイとのコラボや、テレビアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」Season2のオープニングテーマなど、活動の場を広げているyamaが歌唱する「返光(Movie Edition)」が本作の主題歌に決定。尾崎世界観が作詞、作曲を手がけている当楽曲は、衝撃のラストを迎える本作のエンドロールに流れる、どこか狂気と懐かしさを孕んだ世界観の中にもせつなさにあふれた珠玉のバラード。祈りにも通ずるyamaの歌声が感情に訴えかけてくる楽曲だ。

齊藤監督は「人間の本質的なエグみにあふれた映画『スイート・マイホーム』の主題歌はyamaさんでなければならなかった」と話し、「映画を完成させてくださったのは、エンドロールにおけるyamaさんのが楽曲でした」とyamaが歌う主題歌への思いを寄せている。また、yama自身も「脚本を読んで、できることを全力でさせていただきました。読みはじめてすぐに続きが読みたくなるほど引き込まれました。ずっと手に汗握るサスペンス・ホラーの怖さの一方で、映像になった時の期待がありました」と振り返っている。

新居購入をきっかけに恐怖に遭遇していく主人公たちを個性的な実力派俳優はどのように演じているのだろうか?家族を待ち受けている恐怖の連鎖をぜひ劇場で確認してほしい。

■<スタッフコメント>

●中村陽介(プロデューサー)

「この作品の準備をしていた一昨年の秋だったのですが、yamaさんがED曲をやられていたテレビアニメを好きで観ておりまして。普段聴く曲のプレイリストに入れていたのですが、駅のホームで聴いていた際にふと涙がボロボロ流れてきて、傍から見たら完全にヤバい人だと思いつつ、映画の主題歌はyamaさんにお願いしようと決めてしまいました。すぐさま齊藤監督に提案したところ、yamaさんの歌うレクイエム(鎮魂歌)のような曲になると良いですねという事でそこから話が具体になりました。楽曲を尾崎世界観さんに書き下ろして頂き、上がってきた完成音源を初めて耳にした際は、不覚にもまた落涙してしまいました。映画を結ぶ主題歌として早く皆さんにお届けするのが楽しみです」

●齊藤工(監督)

「yamaさんの表現の、秘めたる部分にこそ映し出される、リスナー自身の本質。
そんな人間の本質的なエグみにあふれた映画『スイート・マイホーム』の主題歌はyamaさんでなければならなかったと思いますし、映画を完成させてくださったのは、エンドロールにおけるyamaさんの楽曲でした」

文/鈴木レイヤ