田島列島の人気コミックを広瀬すず主演で映画化した『水は海に向かって流れる』の公開記念舞台挨拶が6月10日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、広瀬をはじめ、大西利空、戸塚純貴、當真あみ、前田哲監督が出席。6月19日に25歳の誕生日を迎える広瀬を祝って、サプライズで特製ケーキが登場。笑顔を弾けさせた広瀬が、これまでの出会に感謝しつつ「大人になった実感」について語った。

26歳のOL、榊さん(広瀬)と高校1年生の直達(大西)を中心に、曲者ぞろいのシェアハウスの賑やかな日常を描く本作。広瀬が、感情を表に出さないクールな榊さんとして、初のOL役を演じた。登壇者は、タイトルちなみコーディネートに青色をプラスしてステージに上がった。

広瀬は「初日を迎えられるのはありがたいこと。幸せ」と噛み締めながら、「取材をしていただいても、感想が人それぞれ違う。複雑な気持ちになる人や、清々しい気持ちになるという方もいた。受け取り方がいっぱいある作品で、これから皆さんがどのような反応をしてくれるのか気になります」と期待。「完成披露の時に友だちが観に来てくれた」という大西は、「『また公開したら観たい』と言っていた。男子高校生やいろいろな層に楽しんでいただける作品になったと感じられて、うれしかった」と反響に笑顔を見せていた。

シェアハウスが舞台となることから、それぞれに「一緒に生活する時に、譲れないルールは?」との質問が投げかけられた。戸塚が「お風呂、どうします?僕、一番風呂がいい」と語ると、広瀬も「私もです」と同意。さらに戸塚が「(誰かが)入った後って、入りづらいところがありますよね。一番風呂は譲れないな。(湯船の)栓を一回、一回抜きます?」と続けると、広瀬は「一番風呂を譲ろうと思いますが、本当に申し訳ないんですが、栓を抜いて一回お風呂を洗ってから入る」とぶっちゃけ、周囲も大笑い。そんななか當真が「私は後がいいです。一番最後がいい。私の後(に入るの)が、申し訳ない」と慎ましく持論を述べ、これには広瀬と戸塚が「やさしい…。情けないよ」と自身の意見を反省していた。

また9日に誕生日を迎える広瀬に、バースデーソングが流れるなか、サプライズで特製ケーキが贈られる場面もあった。会場からも「おめでとう!」と祝福され、驚きつつも大きな笑顔を弾けさせた広瀬は「この作品の思い出がまた一つ増えて幸せです」としみじみ。「生活しているなかで、変化もある」と大人になっている実感もあるそうで、「腹八分目という意味がある言葉がわかるようになったり、朝活をしていて、マネージャーさんと走ったりしている。いままでは『寝たい』と思っていたんですが、どんどん健康志向になっている」と楽しそうに告白した。

今後挑戦してみたいこととして、「今回はOL役だったんですが、働く女性はあまり演じてきていない。10代の時にしか演じられなかったものもすごく多いけれど、20代半ばでしか演じられない役どころをやってみたい。すごく楽しみです」と前を向いた広瀬。10代の大西と當真へエールを送る瞬間もあり、広瀬は「10代の時に、恋心や友情を描いた作品をやった同世代の人たちといまもすごく仲がいい。飾らずにいられた自分を全部知ってくれていて、お仕事も理解してくれて、なんでも話せる同世代の仲間たちは、すごく貴重だなと思ったり、助けられている瞬間がたくさんある」と自身の経験を踏まえながら、「きっとまた大人になって、もう少し年齢を重ねて共演した時に、自分をわかってくれる人が現場に一人でもいることが救いになる瞬間がたくさんあると思う。仲よくしてください!」と2人に温かな言葉をかけていた。

取材・文/成田おり枝