「さんかく窓の外側は夜」などで知られるヤマシタトモコの人気コミックを、新垣結衣、早瀬憩のダブル主演で実写映画化した『違国日記』(6月7日公開)。このたび本作の主要キャラクター6人を紹介する特別映像と、各界著名人からのコメントが到着した。

本作は人見知りの小説家、高代槙生(新垣)と、その姪である田汲朝(早瀬)という対照的な2人の同居譚。2人は理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。

人気女性コミック誌「FEEL YOUNG」で連載がスタートした原作漫画は、現代を生きる女性なら誰もが多かれ少なかれ感じている“生きづらさ”を優しく救い上げるような物語が話題となり、幅広い女性たちから絶大な支持を得た。人気の秘密は登場するキャラクターたちへの共感度の高さで、どのキャラクターも異なる個性を持ち、人生に悩み乗り越えていく姿に親近感を覚えていく。瀬田なつき監督も「朝や槙生はもちろん、登場人物たちもなんだかとても親身に感じられる印象がある」とコメントしており、巧みな人物描写を漫画の魅力の1つとしてあげている。


そんな愛すべき登場人物たちの魅力は映画でも健在だ。解禁された特別映像は、映画に登場するキャラクター6人、槙生(新垣結衣)、朝(早瀬憩)、醍醐奈々(夏帆)、笠町信吾(瀬戸康史)、楢?えみり(小宮山莉渚)、森本千世(伊礼姫奈)のショート動画から成っており、それぞれの魅力を垣間見ることができる。

さらに、映画を一足早く鑑賞した各界著名人から映画の絶賛コメントも到着。瀬田なつき監督作『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20)、『HOMESTAY』(22)の2作品に出演した女優の山田杏奈は「この2人の時間をずっと見ていたいと思いました。心のやわらかいところに留めておいて、それでふと思い出したい」と綴り、タレント兼TikTokクリエイターのおじゃすは「人間関係や人に対しての感情、そして多様性について新たな気づきを教えてくれました」と太鼓判を押す。

SUPER BEAVERの渋谷龍太は「それぞれの穴を互いに、そしてともに埋めていくような映画。完璧に混ざれないから人と人は愛おしいと思える、そんな作品」とコメントを寄せる。さらに以前にSUPER BEAVERのミュージックビデオに出演した早瀬について「眼の奥にある微細な感情に、不意を突かれてギュッとなる場面が何回もあった。すごい」と激賞している。

性別も年代も超えた多くの人が共感し癒される、彼女たちの物語。映画を鑑賞して、お気に入りのキャラクターと出会ってほしい。

■<著名人のコメント>

●赤山恭子(映画ライター)

「流せなかった涙が、泣ける悲しみへと昇華した。いつか餃子を食べて笑い合える日々がくるから、わたしたちは生きていける。槙生と朝、定義できない関係性が愛おしい」

●井手上漠(モデル、タレント)

「とても言葉が美しく、抱きしめるように寄り添いあうような心温まる作品でした。十代の頃の言い表せない孤独と不安。それは大人になっても変わらない。だからこそ、寄り添え合える2人。壊れかける2人。そう、私たちはいつも愛に支配されている日常のなかの目を向けてこなかった隙を観せてくれました。ありがとう」

●植本一子(写真家)

「名付けようのない関係でも、日々の積み重ねで確かな特別なものになる。自分にとって替えのきかない大切な存在を思い出した」

●おじゃす(タレント、TikTokクリエイター)

「『当たり前の生活が突然変わってしまうかもしれない』と深く考えさせられる作品であり、人間関係や人に対しての感情、そして多様性について新たな気づきを教えてくれました」

●傘村トータ(作詞家、作曲家)

「わからないものを、無理にわかろうとせず、無理に暴こうとせず、無理に踏み入ろうとせず、わかり合えないまま隣に置いて、時折抱き締める。これが愛でなくてなんだというのでしょう。柔らかい気持ちになれました」

●児玉美月(映画文筆家)

「かつて幼い頃、大人は他者であり、そこでは別の時間が流れているように見えていた。でもきっと、子どもから大人って、人生のどこかで切り替わるものではなく、ずっと緩やかに溶け合っている。『違国日記』はどこまでも優しい時間をくれて、ふわふわしたままの自分を抱きしめてくれる」

●斎藤香(映画ライター)

「槙生と朝を見ながら、本当のやさしさは温かい言葉をかけ続けることでも、気を使うことでもなく、素顔のまま寄り添うことだと思いました。生きにくい世の中だけど、人との交流に希望を見出せる作品。そして新垣結衣の穏やかだけど力強い演技に魅了されました」

●渋谷龍太(SUPER BEAVER/ミュージシャン)

「それぞれの穴を互いに、そしてともに埋めていくような映画。完璧に混ざれないから人と人は愛おしいと思える、そんな作品。我々のmvにも出演してくれた、早瀬さんの眼はとても印象的で、セリフ以上に話してたし、表情以上に情報があったと思う。眼の奥にある微細な感情に、不意を突かれてギュッとなる場面が何回もあった。すごい」

●竹田ダニエル(ライター、研究者)

「『好きに生きる』って、なんでこんなに難しいんだろう?誰かを傷つけずに自由でいるって、どうしたらできるんだろう?暖かくて、少し不器用な抱擁のような優しさで微笑みかけてくれる。そんな優しい作品にはじめて出会いました」

●東紗友美(映画ソムリエ)

「なにもしたくない、誰にも会いたくない、なにも観たくない。そんな時にさえもこの物語は、心に浸透して優しく寄り添ってくれる。私たちはさみしくて満たされにくくて、でも同時に地球上でもっとも幸せな生き物でもあるのだと気付かせてくれた。今日前向きになれなくても、明日を待ち望めなくても、またちがう朝はくる。多様な人々の輝きが、価値観の鎖から解き放ってくれた。自分らしさを抱きしめながら劇場を後にする」

●松浦弥太郎(エッセイスト)

「ひとりなら、人はいつでも人と手をつなぐことができる。ひとりなら、人はどこにでも出発ができる。そんないつかの自分の若い頃の体験を思い出した作品でした」

●山田杏奈(俳優)

「大好きな漫画を、大好きな監督が!掴んでいたものが見つからなくなってしまったとき、そこにいてくれる人のあたたかさ。わたしとあなたは分かり合えなくても、そばに居られる。この2人の時間をずっと見ていたいと思いました。心のやわらかいところに留めておいて、それでふと思い出したい。そんな言葉が詰まっている映画でした」

●SYO(物書き)

「他者の見えない痛みを想像して、尊重してともに生きてゆくこと。これを正解と言ったら、彼女たちは首を横に振るだろうけれど。でも僕にはその態度がとてもまぶしく映って、救われて涙した。まだ、人を諦めなくていいのかも。心に上書きしたのは、希望」

文/山崎伸子