岩井澤健治監督最新作となる劇場長編アニメーション『ひゃくえむ。』の制作、および2025年の劇場公開が決定した。

原作は、「チ。-地球の運動について-」で、手塚治虫文化賞マンガ大賞を史上最年少で受賞した新鋭、魚豊の連載デビュー作「ひゃくえむ。」。陸上競技の世界で、「100m」というわずか10秒間の一瞬の輝きに人生を懸ける人々の栄光と挫折を描き、完結後もなお熱狂的な人気を集めている。そして、長編第1作『音楽』(20)でアニメ界のアカデミー賞」と呼ばれる米アニー賞ノミネートをはじめ国内外の多数の映画賞にて高い評価を受け、劇場公開では9ヶ月にも渡るロングラン上映をはたし、映画界をはじめ多くの著名人にもファンを持つ気鋭のクリエイター、岩井澤が監督を務める。

映画化決定に際し、原作の魚豊描き下ろしの特別イラストとコメントが到着。特別イラストには、青空の下でトラックの上に立つ主人公トガシの姿が描かれている。また魚豊はアニメ映画化に対し、「『距離』に翻弄された登場人物たちは、漫画とは違った映画という『時間』を通して、どのような『速さ』を出力するのか。私も鑑賞者の1人としてワクワクドキドキ、出走を待望しております」と期待を寄せ、岩井澤は「”走る”とはシンプルだからこそ、表現することの難しさを日々感じつつ辿り着いたイメージを形にしていっています」と制作の意気込みを語った。

本作は世界最大規模のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭の「Work in Progress」部門への選出が決定。現地時間の6月11日(火)には岩井澤らが登壇し、現地の映画ファンや世界の映画関係者に向け、現在制作進行中の本作のプレゼンテーションを行う予定となっている。

陸上競技に打ち込む人々の情熱は、はたして映画のなかでどのように描かれていくのか?続報に期待したい。

■<コメント>

●魚豊(原作)

「この作品をこの制作陣でアニメ化していただけることを、心から嬉しく思います。『距離』に翻弄された登場人物たちは、漫画とは違った映画という『時間』を通して、どのような『速さ』を出力するのか。私も鑑賞者の1人としてワクワクドキドキ、出走を待望しております」

●岩井澤健治(監督)

「『ひゃくえむ。』を映画化できること、大変光栄に思います!”走る”とはシンプルだからこそ、表現することの難しさを日々感じつつ辿り着いたイメージを形にしていっています。アニメーション制作は地道ですが、一歩一歩踏みしめながら進んでいますので、完成までいましばらくお待ちいただければ幸いです」

文/サンクレイオ翼