能登半島地震の被災地では学校給食にも影響が出たままです。

今、小学校の給食はどのような様子なのか。

子どもたちや学校関係者は少しずつ変化を感じながら、昼のひとときを過ごしています。

森大輔さん「みなさんで飲んでください」
先生「ありがとうございます」

20日、七尾市の山王小学校の給食に野菜ジュースを持参した、七尾市在住でプロ野球・横浜ベイスターズ元投手の森大輔さん。

森さんの勤め先、白寿生科学研究所が、この日七尾市内の小学生およそ2000人分の野菜ジュースを提供しました。

森大輔さん
「下の子が小学校1年生というのもあって、給食だよりを見たら献立がちょっとかわいそうだったので。一日でも早く通常の給食でみんなで笑顔で食事をとってもらえる日々が早く戻ってほしい」

被災地の小学校では、団体や個人がこうして食料などを提供するケースが目立ちますが、現在の献立が十分でないことの裏返しともいえます。

七尾市の小学校では7日に給食が再開されましたが、初日の献立はコンビニのおにぎり2個と牛乳、みかんクレープでした。

2月7日 給食再開時の七尾市・山王小学校の献立


山王小学校 長谷部学校長
「おにぎりは特徴がある。具材で特徴が出るのでそれがだめだった場合そもそも量が限られているうえに食べられないとなると、カロリー摂取量に問題がある」

それでも、七尾市内の断水が段階的に解消されたことなどもあって、給食は次第に改善され始めています。

七尾市の小学校では19日から汁ものが加わりました。

汁物が加わる この日は野菜のコンソメスープ


20日の七尾市の小学校の献立は、コッペパンに魚肉ソーセージ、ヨーグルトと牛乳でしたが、これに野菜のコンソメスープが加わりました。

2月20日の七尾市・山王小学校の献立


山王小学校の児童
「汁が追加されて、なんかあたたかいなぁ」
「(完全給食に)戻ってこられるなら今すぐ戻ってきてほしいがそうにもいかないので、できるだけ早く戻ってきたらいいなって思う。(お腹はいっぱいになる?)はい、大丈夫です」

給食時間の様子 不完全ながらも校長は「給食感」が出たと話す

山王小学校 長谷部学校長
「あたたかい汁物が器に入って提供されるだけでぐっと「給食感」が出てきた。主菜、副菜がどの程度まで準備できるか」


一方、奥能登・能登町の宇出津小学校。

1月25日に出された昼食は、パックご飯とレトルトカレー、乳飲料と水、それに地元企業から寄付されたポン菓子でした。

MRO


こちらでも、徐々に献立は改善されていて、22日は保存食のパンにバナナ、ヨーグルトと牛乳、そして汁物のポトフでした。

2月22日の能登町・宇出津小学校の献立 ポトフが登場


宇出津小学校でも、汁物は19日から加わるようになりました。

量が少ないという声はあるものの、種類が増えた給食に児童は喜んでいます。

ポトフが加わり笑顔の児童も


宇出津小学校の児童
「うれしい。めっちゃおいしかった」
「レトルトのパンは冷たく感じた。(ポトフの)具は熱く感じる」

1月25日の時の男子児童
「(レトルトカレーの)具材が柔らかすぎて、喉に味わいが伝わらない」

1月末のレトルトカレーの昼食では、こうぼやいていた男の子も…

男子児童「(全部食べましたけどポトフはどうでした?)ポトフはよかったよ」

能登地域での完全給食はまだ先の見込みですが、元気の源となるお昼ごはんは少しずつ楽しみが増えているようです。