首脳会談のためアメリカを訪問中の岸田総理がバイデン大統領への手土産として持参したのは、輪島塗のコーヒーカップとボールペンでした。製造した地元メーカーは「輪島塗の良さを世界中に発信するきっかけになれば」と期待を寄せています。

岸田総理は日本時間の10日午前、ホワイトハウスを訪れました。バイデン大統領と妻のジルさんが手にしているのは、輪島塗のコーヒーカップです。

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製造したのは、輪島塗の老舗メーカー・輪島市の田谷漆器店です。

田谷漆器店・田谷昴大代表「世界中に輪島塗の良さを知ってもらえる良いきっかけをいただいた。能登半島地震のことを知ってもらうきっかけになったり、このお話をいただいた時にうれしいとの思いもあり、ぜひやりたい。この仕事は何としてもいいものをお届けしたいと思った」

3月上旬に連絡があり、納期まで3週間ほどしかない過密スケジュールでしたが、ベテランの塗師や若手の蒔絵師、呂色(ろいろ)職人らが一丸となって製作したということです。

コーヒーカップのセットは、黒と青の漆をグラデーションに重ね、バイデン夫妻のファーストネームが蒔絵の技法で刻まれています。

田谷漆器店・田谷昴大代表「完成してから思ったが、この黒と青ってなんとなく能登半島の海の夜明けに見えてきて、あ、いいなと」


同じく手土産として贈られた輪島塗のボールペンには、アメリカを象徴する鳥ハクトウワシと日本を象徴する鳳凰がともに舞う姿が描かれました。

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田谷漆器店・田谷昴大代表「日本の総理大臣がアメリカの大統領に自分たちが携わった輪島塗をプレゼントするというのは職人冥利に尽きると思うし、僕も塗師屋冥利に尽きるので一生忘れられない仕事になった。ここをきっかけに輪島塗の業者みんなでいろいろなものを世界中に発信していくことができれば」

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田谷さんは地震で業界全体が大きな打撃を受ける中、世界中に輪島塗を発信するきっかけになればと期待を寄せています。