石川県農林総合研究センターは16日、果樹カメムシ類が今後、大量発生する恐れがあるとして県内全域に今年度初の注意報を発表しました。

果樹カメムシは、リンゴ、ナシ、モモ、カキなどの果物の果実を吸うカメムシの総称で、石川県内に発生する主な種類としてクサギカメムシ、ツヤアオカメムシ、チャバネアオカメムシがあります。

左から クサギカメムシ ツヤアオカメムシ チャバネアオカメムシ

センターの調査によりますと、今年の初飛来日はクサギカメムシが5月3日と平年より13日早く、チャバネアオカメムシが5月5日と17日早くなっています。

また数も多く、6日から10日までの5日間でチャバネアオカメムシは58匹、クサギカメムシが14匹確認されていて、平年を大きく上回っているということです。

センターによりますと、カメムシは寒さに弱く通常の冬であれば死んでしまいますが、今年は暖冬の影響で相当数の個体が越冬したとみられます。

これから夏にかけて気温が上がるとカメムシの増殖や活動が活発になると予測され、センターでは特に山林に近い果樹園では薬剤を丁寧に散布するなど対策をとるよう呼びかけています。

果樹カメムシが汁を吸うと果実が落下するほか、実の表面に凹凸が生じたり果肉がスポンジ状になる症状が見られます。

カメムシの被害を受けた果実(提供:石川県農林総合研究センター)

センターでは今後多発する恐れがあり、注意を促す必要があるときに「注意報」を発表、急増する可能性がありただちに対策をとるよう呼びかける必要があるときに「警報」を発表しています。