東京都知事選挙の投開票まで残すところあとわずかとなりました。戦略の変更や新たな公約の発表など、終盤戦に向けて各候補者の動きが加速しています。

現職の小池百合子さん(71)は7月3日、葛飾区で東京消防庁の水害訓練を視察し「防災力強化」への取り組みを確認しました。小池さんは「これからも緊張感と日頃の訓練を重ねてもらって、安心安全を都民の皆さんにお願いします」とあいさつしました。公務と政務の「二刀流」を掲げる小池さんはその後、世田谷区で街頭演説を行い、この日から発行された新紙幣に描かれる渋沢栄一に絡めて、力を入れるスタートアップ支援について「新しいスタートアップをさらに育てていきたい。渋沢栄一が500社もこの東京を中心に企業を作ったのはまさにスタートアップそのもの。令和の渋沢栄一をみんなで育てていきましょう」と有権者に訴えました。

午前11時ごろに世田谷区役所を訪れた前参議院議員の蓮舫さん(56)はその後、記者団に対して期日前投票をしてきたことを明かしました。これまで、蓮舫さんは都内の繁華街を中心に街頭演説を行い、支援者を集める選挙戦を展開をしてきました。終盤は選挙カーで都内をくまなく巡り、幅広く支援を求めていく考えです。蓮舫さんは「『会いにいける蓮舫』と言われているので、今までは会いに行くのは街頭演説の場所や朝の駅だったが、今度は動く形で『会いに行く蓮舫』をやろうと思っている。できるだけ皆さんの前に出ていこうと思います。もうあと残り少ないですから」と語りました。

元航空幕僚長の田母神俊雄さん(75)は六本木のゴルフ練習場を訪れ、利用客らと意見交換しました。田母神さんは「無党派層、例えばゴルフやる人でね。これでゴルフやる人の票を確保したい。若い人たちが投票先決まっていないから。この人なかなか面白い人だなと思ったら投票する」と語りました。ゴルフ歴が50年以上でベストスコアが67という田母神さんは「都立の若洲ゴルフリンクスを24時間営業にする」という新たな公約を打ち出しました。田母神さんは「24時間営業したらいいんでは。雇う人も増えるし、経済効果も出てくると思う」と話しています。

広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二さん(41)は御徒町駅や南千住駅など都内10カ所以上で遊説しました。石丸さんは「東京の未来、そして日本の未来は皆さんに懸かっています。皆さんの力で東京を動かして、日本を動かしてみせてください」と訴えます。ネットでの支持に加え、都内各地を回る選挙戦を続けたことにより、知名度が着実に高まっているとして、終盤も戦略は変えない方針です。石丸さんは「反応は変わらないですね。ただ人が増えている」と語ります。また、他の候補が追加公約を挙げていることに対しては「なぜ最初から出さなかったんですか。準備していなかったんですか」と話し、石丸さんは“出し惜しみなし”かと問われると「そりゃそうですよ、最初から。立候補する前から考えているので。立候補した時点で何を話すか決まっていなかったら変じゃないですか」と語りました。

<過去最多56人が立候補>

都知事選には過去最多の56人が立候補しています。現在、都内の300カ以上に期日前投票所が開設されています。都知事選の主な争点には災害対策、少子化対策や物価高対策のほか、小池都政2期8年への評価などが挙がっています。都知事選の投開票は7月7日に行われます。

■東京都知事選挙 立候補者(届け出順・敬称略)野間口翔(36)/澤繁実(47)/大和行男(46)/木宮光喜(71)/小池百合子(71)/内海聡(49)/石丸伸二(41)/小野寺紘毅(79)/新藤伸夫(75)/竹本秀之(68)/桜井誠(52)/ドクター・中松(96)/安野貴博(33)/清水國明(73)/AIメイヤー(51)/桑原真理子(50)/後藤輝樹(41)/河合ゆうすけ(43)/福本繁幸(57)/黒川敦彦(45)/桑島康文(62)/田母神俊雄(75)/蓮舫(56)/内藤久遠(67)/内野愛里(31)/石丸幸人(51)/尾関亜弓(43)/小松賢(36)/加賀田卓志(47)/福永活也(43)/犬伏宏明(48)/武内隆(61)/遠藤信一(59)/上樂宗之(45)/二宮大造(53)/中江友哉(32)/舟橋夢人(58)/山田信一(53)/加藤英明(65)/草尾敦(55)/津村大作(50)/横山緑(46)/前田太一(38)/南俊輔(39)/福原志瑠美(41)/木村嘉孝(49)/三輪陽一(42)/松尾芳治(46)/穗刈仁(57)/小林弘(49)/加藤健一郎(74)/ひまそらあかね(41)/向後真徳(62)/牛窪信雄(51)/古田真(77)/アキノリ将軍未満(37)