現在行われている東京六大学野球・春のリーグ戦でここ3年間、勝利に恵まれていないのが東京大学です。ゴールデンウイーク中、慶応大学との試合が行われ、連敗ストップに向けてひたむきなプレーが続出しました。

 東京大学は六大学リーグで2017年秋に勝って以来、ここまで勝利がありません。キャプテンの大音周平選手をはじめ4年生は、入部以来1度も勝利を味わうことなく大学生活最後の年を迎えてしまいました。「勝利に向けて、個人もチームも進化していく姿を見てほしい」と今年はスローガンに「変革」を掲げましたが、春のリーグ戦2週目を終えた時点でいまだ勝ち星はなく、59連敗中で5月1日の慶応戦を迎えました。

 緊急事態宣言中のため、神宮球場の入り口には「無観客開催」の文字が掲げられ、東京六大学野球史上初の無観客開催で行われることとなりました。応援団長の力強い音頭も華やかなチアリーダーのダンスもない中、サードを守る大音キャプテンの掛け声が球場に響きわたります。初回、第1打席で大音キャプテンが内野安打で出塁するも後続が倒れます。キャプテンの激走にエース・井沢や守備陣も応えますが、井沢は4回につかまります。2点タイムリーヒットを打たれるなど3失点。この日の東大投手陣は全体的にコントロールに苦しみました。与えた四死球は合わせて2桁を数え、フォアボールでランナーをためて痛打されるというパターンで追加点を奪われました。試合は慶応に7対0で敗れ、東大の連敗はついに60まで伸びてしまいました。

 翌2日、慶応大学との2回戦を迎えました。応援団は球場には入れませんがバックスクリーンには応援の映像が流れます。この試合もリモートで画面越しに応援してくれる仲間のために、東大ナインは必死で勝利をつかみにいきます。しかし慶応の四番、プロ注目のスラッガー・正木にレフトスタンドに運ばれるなど、この日もリードを許します。7回までに10点差をつけられ、すでに勝負ありかと思われましたが、東大ナインは誰ひとり諦めていませんでした。8回には一挙5点のビッグイニングとして5点差に詰め寄ります。しかし9回、最後の攻撃は慶応のスーパープレーに阻まれ、後がなくなってしまいます。最後も当たりは良かったもののファーストライナーでゲームセット。怒涛(どとう)の反撃を見せたものの失点があまりにも多過ぎました。11対6で慶応に連日敗れ、東大の連敗は61まで伸びてしまいました。それでも大音キャプテンはリモートで応援してくれた仲間たちに「悔しい負け方が続いているが勝つことが一番の感謝だと思うので、そこに向かってみんなで取り組んでいく。いつも応援ありがとうございます」と、感謝の言葉を送りました。

 神宮の勝利の女神がほほ笑む日を目指し、東大ナインはひたむきに、激闘の翌日も休まず練習を続けています。