そろばんと暗算の計算能力を競う国内最高峰の大会が東京・墨田区で開かれました。驚くべき計算能力の“選手”たちが激突しました。

 珠算名人位決定戦はそろばんと暗算による計算能力を競う、国内のそろばん競技の中でも最高峰の大会といわれています。11月28日に行われた競技大会は掛け算や割り算、伝票に記載されている数字を足し上げていく伝票算など7つの種目で行われ、選手たちは猛スピードで問題を解いていきます。まさに計算のスピードと正確性を競い合う“勝負”です。

 選手たちはどのぐらいの時間で問題を解くのでしょうか。日本珠算連盟の上川裕司副理事長は「制限時間180秒で20題を解くので、1問当たり“答えを書き込む時間”を含めて9秒。一番のプレッシャーは最初の掛け算だろう。これがなかなか点が取れない。ここを乗り越えて満点でいくと、あとは何とかできる。そういう意味では掛け算が厳しい科目になると思う」と話します。

 参加した選手は小学3年生から50歳の社会人までの74人で、出場者は全て日本珠算連盟の段位認定8段以上、小学生は4段以上の取得者という実力者ぞろいです。猛者たちが頂点を目指ししのぎを削った今大会のトップ2の決勝は、千葉県の大学1年・堀内遥斗さんと京都府の高校2年・磯貝勇誠さんによる戦いとなりました。対戦直前にはただならぬ緊張感に包まれ、決勝ではいきなり堀内さんが3種目連続で勝ち星を挙げて王手を掛けました。後がなくなった磯貝さんでしたが、4種目めで一矢を報います。そして迎えた5種目め、6対6ながら時間差により堀内さんが勝利し、4勝1敗で堀内さんが名人位を得ました。

 23代の珠算名人となった堀内さんに認定証と優勝カップが手渡されると、ようやく笑みがこぼれました。優勝した堀内さんは「弱点種目があるとどうしても勝ち進めなくなってしまうので、苦手克服が大変だったが頑張った。弱点の箇所は言えないが、それがばれないように立ち振る舞って競技していた」と話しつつ「まだ名人にふさわしい実力は持っていないと思っているが、次の大会までの2年間で名人らしい実力をつけ、また受けて立とうと思う」と今後の抱負について話してくれました。