東京都内に6月30日、今年初めての「熱中症警戒アラート」が発表されました。連日の猛暑は一段と厳しさを増し、都心では36.4℃と6月としての最高気温を記録しました。

 日本列島はこの日も高気圧に覆われ、午前中から気温がぐんぐんと上昇しました。都内の最高気温は青梅の37.9℃で、八王子で37.1℃、練馬で37.0℃まで上がりました。また都心では正午過ぎに36.4℃を観測し、記録の残る1875年以降で6月の都心の最高気温となりました。猛烈な暑さを受け、環境省と気象庁は今年初めて、東京に熱中症の危険度が特に高まったことを示す「熱中症警戒アラート」を発表し、警戒を呼びかけました。

 都内では29日だけで熱中症で215人が搬送され、60代から90代の男女5人の熱中症による死亡が確認されました。高齢者は熱中症への警戒が特に必要となりますが、街で暑さ対策について聞いてみると「7月からが本格的な夏なのに、6月からだと体調が暑さに追い付いていけない。30℃以上になったらクーラーをつけると決めている」という声があったほか、「クーラーを夜中につけることには抵抗ある。本当は夜はクーラーをつけたくないが、つけないのは無理」「クーラーの使用にはあまり抵抗はないが、少し窓を開けたり外気も取り入れたりしてクーラーを使っている」「起きている時はクーラーをつけているが、寝る時は消す。寝冷えが怖い」という声も聞かれました。

<高齢者は特に注意 熱中症対策のポイントは?>

 まだ6月ですが連日の猛暑が続いています。熱中症対策は欠かせません。

 東京都内では熱中症患者が例年にないスピードで増加しています。東京消防庁によりますと、6月30日の救急搬送された人数は105人(午後3時現在)で、重症よりも命の危険が迫った「重篤患者」も1人出ています。まだ6月にもかかわらず、すでに都内では熱中症の疑いで11人の死亡が確認されていて、高齢者や屋内での熱中症による死亡例が多くなっています。新型コロナに加え、熱中症にも警戒が必要です。

 なぜ高齢者は熱中症リスクが高いのかというと、高齢者は“もともと脱水状態になりやすいから”なのです。具体的な要因として、体内の水分の貯蔵庫である筋肉が衰えていたり、体内の水分量などを調節する腎臓の機能が低下していたりなど、加齢による影響がまず挙げられます。他にも、利尿作用のある薬を服用しているケースや、1人でトイレに行けない高齢者が「何回もトイレに行くのは、介護してくれる人に申し訳ないから水分を取らない」といったケースもあるといいます。また、高齢者は「暑さ」や「喉の渇き」を感じにくくなっている可能性があります。喉の渇きを特に感じなくても、口の中がネバついてきたら脱水のサインです。小まめに水分を補給してください。脱水状態を放置すると体温調節がうまくできず、熱中症にかかりやすくなります。高齢者の熱中症対策には周囲のサポートも重要です。

 このように、自分で感じる力が落ちている高齢者の熱中症対策には“五感をフル活用する”ことが重要です。まず「目」です。室内に温度計を設置して肌感覚だけでなく、視覚から暑さを察知してください。例えば、エアコンの設定温度を28℃にしていても、必ずしも実際の室温が28℃になっているとは限りません。温度計を確認し、場合によってはエアコンの設定温度を下げるなども必要です。次に「耳」です。周囲の人が声をかけ、注意喚起をしましょう。同居していない場合には電話でも構いません「ずっと元気でいてほしい」という気持ちはきっと伝わるはずです。

 熱中症対策として改めて伝えたいのは“エアコンの使用をためらわないで”ということです。高齢者の中には「エアコンの使用はぜいたくだ」「我慢が足りない甘えだ」といった意見も見受けられます。しかし6月中に6日連続で35℃以上の猛暑日になるというのは観測史上、初めてのことです。誰もが経験したことのない暑さですので、昔の感覚は通用しないと思ってください。また「エアコンを使うと体調が悪くなる」という人もいるかもしれません。このように感じる人は、エアコンの風が直接当たって冷え過ぎていることが原因かもしれません。風向きを変えたり服装で調整して、命の危険がある熱中症にならないよう注意しましょう。東京都には引き続き、7月1日も「熱中症警戒アラート」が出されています。外に出る時はもちろんのこと、屋内でも対策をしっかりしてください。

<甘くておいしいのに…ブルーベリーに“しわ”「選別するしか…」>

 連日の暑さで農作物にも影響が出始めています。東京・練馬区にあるブルーベリー農園では、暑さのために水分が不足し、商品に適さない状態のものが現れ始めています。

 練馬区にある農園・高橋ベリーガーデンでは、15年以上にわたっておよそ1200本のブルーベリーの木を育てています。しかしこのところ、連日の猛暑が続いたことでブルーベリーの実に水分が不足し、しわが見られるようになってきているといいます。しわが寄ってしまったブルーベリーも味には影響がないものの、商品としては選別せざるを得ず、販売するための作業に負担がかかってしまいます。農園の高橋洋平さんは「水分が抜けてしまってしわしわになっているブルーベリーがある。しわしわのがたくさん入ってしまうと見た目もあまりよくないので、選別する時間はいつもよりもかかってしまう」と話します。また、この農園ではブルーベリーの摘み取り体験も行っていますが、しわのある実は見た目が悪いため、取られずに避けられてしまうということです。高橋さんは「しわしわでも十分甘くておいしいので、摘み取っても全然問題ないが、どうしても、なかなか来園者の手が伸びない」と語ります。

 さらに、暑さだけでなく雨が降らない日も続いているため、水を与える必要があり、水道代などの運営コストも余計にかかっているといいます。

 農作物にも影響する連日の猛暑に、対応に追われる日々が続きます。