現状、新型コロナウイルス感染症の影響で医療現場が逼迫(ひっぱく)し、入院が必要とされている患者が入院できない事態が続いています。そしてその余波は訪問看護の現場にも厳しい影響を与えています。

 東京・足立区にある福祉施設や個人の在宅訪問看護サービスを提供する会社・訪問看護ステーション ブロッサムでは連日、コロナ患者への対応が続いています。西村直之代表は「大変ですね。看護師の誰もがコロナの対応というわけにはいかないから、休みが取れないといったことが起きている」といいます。

 都内の福祉施設に入居する90代女性の場合、8月9日に新型コロナが発症しました。コロナの症状によって6日間にわたって何も口にすることができず、点滴投与などの治療が続きました。女性は酸素飽和度も低下して、医師が保健所に入院要請を出しましたが受け入れ先は見つからず、結局、女性が入院できたのは発症から6日目でした。西村代表は「連日訪問した。入院がいつできるか分からなかったが、入院できるまでの間、全て主治医の指示で処置を行っていくのが私たちの状況。やはり看護師も人間ですから、当然体がもたなくなってしまう」と話します。

 会社では8月に入ってから80代と90代合わせて3人の新型コロナ患者の訪問看護に当たっています。患者数自体は多くないものの、感染を拡大させないためにコロナ対応に当たるスタッフを最小限にしていることから、連日の処置でスタッフは疲弊しているといいます。西村代表は「使命感を持ち、一人一人の看護師がコロナに対する予防を徹底する中、防護服を着てこの暑さの中、サウナ状態で必死で対応してくれている。しっかり職員を守るという観点からも、できる範囲内でフォローしている」と語ります。さらに高齢患者の中には認知症の人もいて、感染リスクなどを理解してもらうことが難しく、スタッフの負担が増えているということです。

 訪問看護の現場からは、入院が必要とされる患者がなるべく早く入院できる態勢づくりが求められています。