新型コロナウイルス感染者の減少傾向が続き、外出の機会が増えていく中、宅配ボックスの需要が高まっているようです。環境に配慮する面から設置を支援する自治体の取り組みも始まっています。

 東京・大田区にあるホームセンターでは、住人が不在の時に宅配業者が荷物を入れておくことで後から受け取れる「宅配ボックス」の販売数が伸びています。店によりますと、去年に比べて売り上げはおよそ2倍になったということです。ホームセンターコーナン・本羽田萩中店の木津麻衣子さんは「コロナの規制が緩和され、外出が増えたことがきっかけではないか」と話します。この店では小さな荷物から大きな荷物まで入れられるさまざまな宅配ボックスが売られています。

 宅配ボックスの需要が高まる中、普及を支援する自治体も出ています。東京・板橋区は区内に住む人や区内の事業者に対し、宅配ボックスの導入に助成金を支払う取り組みを始めています。戸建てでは最大5万円、マンションやアパートなどでは最大15万円を助成します。板橋区・環境政策課の隅田慎一副係長は「宅配ボックスは気になっていたが導入に二の足を踏んでいた人が、今回の助成を知ったことで購入を検討しようかと問い合わせがある。区としても効果があると感じている」と話します。板橋区は「ゼロカーボンシティ」として2050年までに二酸化炭素排出ゼロを目指していて、今回の助成は宅配ボックスを設置することで宅配業者の再配達にかかるエネルギーや二酸化炭素を減らし、区民の環境への意識を高めるのが狙いです。

 荷物の再配達は今、環境面でも大きな課題となっています。1度目の緊急事態宣言が出た2020年春は「ステイホーム」で自宅にいる人が増えたため、再配達の件数が前の年から大きく減りました。しかし再び外出の機会が増えた2022年4月時点では11.7%へと増加傾向にあります。板橋区・環境政策課の隅田副係長は「再配達を減らすことで物流で発生する温室効果ガスの削減を、また、宅配ボックスの設置で非接触の受け取りによる新型コロナウイルス対策を期待している」といいます。

 実際に、板橋区の支援を受けて導入を予定しているマンションのオーナーもいます。窪田和人さんは過去に同じ荷物を3回も再配達させてしまった経験から宅配ボックスの必要性を感じていたところ、今回、区から助成金が出ると知り、設置を決めたといいます。窪田さんは「便利だと思うので、他のアパート経営している人たちも助成金制度を利用したらいいのでは」と話しています。